第17話 剥製


 親の化けの皮ががれた


 蓋を開ければ

 別にたいしたものじゃない



 一方は神だった

 全てを与えて、叱り、許してくれた

 愛を持って接してくれた


 また一方は竜だった

 静かに僕を見守っていた

 しかし、全てをべていただった



 化けの皮が剥がれた。

 おしゃべりな狐と寡黙かもくな狸。

 ようやく葉っぱに気づいただけだけど、

 すべては僕のためだったのかな



 感謝を述べたいんだけど、

 実はまだ、実感が湧いて無くて。

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