第14話市場調査(という名のショッピング)
その後
・転職システム-適性が無くても短期間でレベル1にまで引き上げてくれる。ただし極める(レベル10)まで職が固定される。
・解体システム-野外で仕留めた魔物はゲームのようにアイテムをドロップしない。然るべき処置をして素材にする必要がある。(知ってた)
・買い取りシステム-素材から不要武器の買い取り・・・商業ギルドよりは少し条件がいい。
などの説明を受ける。
判らないことがありましたらお気軽にとチョットした辞書なみの案内本を手渡される。
商業ギルドでは
それからギルドでガラの悪い冒険者に絡まれることもなく俺は街を散策する。
異世界知識で商売ができるどうか見極めるために。
まずは雑貨屋。
リバーシ、将棋、チェスは普通にあるな。
トランプや花札といったカード系の遊具が無いのは紙か娯楽に回せるほど普及してないからか。
前情報通り人気のないという陶器の花瓶は店の隅に申しわけ程度に置かれている。
ただ染付もなにもない質素なものだから介入する余地はありそうだ。
そして小さい透明度の低いガラスのグラスが数点、これは店の目立つところに祀られている。
ガラス製品がいい商売になりそうだ。
いまは岩石生成で陶磁器が造れる程度だが、次のレベルに上がればガラスも造れる。
なにしろガラスは大きく純粋な石英の板だからね。
そしてレベルを上げていけば宝石生成と金属生成が派生スキルとしてくる。
この派生スキルでダンジョンに設置される宝箱の中身を賄う予定だ。
乱造はしないよ?経済が死ぬからね。
雑貨屋ではタオルやら必要な生活用品。ついでに鍋や飯盒!焼き網もを買っておく。
次に武器屋や防具屋をお値段のリサーチを兼ねて冷やかす。さすが王都だけあって品揃えはピンキリで揃っている。
エルフ弓士のマイが
良品であっても無印の価値は低い。命がかかっているから当然か。
武器屋で無印の弓と鉄矢。皮を剥ぐナイフと手斧を買い防具屋で皮のブーツを買う。
面白いことに、どの店も中古品コーナーがありくたびれた銘入りを売っていた。
食糧品店は五穀(米・麦・蕎麦・粟・豆)を筆頭に野菜、獣肉、魚肉とかなり選り取り見取り。
調味料は中華を中心に和食やインド、欧州のものまであって過去の転移者の食に対する執念を感じる。
食べる必要は無いけど食べ物を味わうことは出来るし酒を飲めば酔うこともできる。
米と蕎麦を30キロと味噌と醤油と砂糖と塩を5キロ。魚の干物を10匹。
濁酒と果物酒とエールを1升樽(瓶は普及していない)で2本づつ買う。
買ったモノは全部アイテムボックスに収納だ。
そして看板に『ジルコニウム』と書かれた店を見つけることができた。
カランコロン
扉を開けて入ると店のカウンターには立派な髭を蓄えた見た目は人間の子供がいた。
赤いとんがり帽子のすぐ下に小さな笹穂状の耳がある。おそらくノームだろう。
そして着ている服はかなり洗練されている。
「布留織さんですか?商業ギルドの樹多氏の紹介で来ましたユウ・アクイ・メディチと申します」
俺の言葉に布留織はピクンと眉を上げる。
これで一見さんお断りで追い出されることはないだろう。
「実は縁あって宗倉さまのお屋敷を訪れる機会に恵まれまして」
貴族な人は服飾で相手の力量を測ってくるから何とかなるなら何とかした方がいい。
大猪の毛皮と鎧を脱いでアイテムボックスに投げ込み代わりにスーツの上下を取り出す。
ちなみにいま着ているのはワイシャツと
「魔法のせいとだけ言っときますが、ご覧の通り一張羅がかなり似合わない体形になりまして」
大きく育った胸を指さすと布留織は口元を少し苦笑いに緩める。
「で、日も迫っているから仕立て直しして欲しいと?」
「はい。そこまでいけば御の字ですが、最低でもシャツは新調したい。あと別件で夏の一着も注文したいですね」
無理を聞いてくれれば正式に服を注文する事も匂わせる。
「判った。おーいニャニャ。採寸を頼む」
布留織が店の奥に向かって叫ぶと毛並みロシアンブルーな
第一関門突破である。
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