第8話『エンカウント』その2

###第8話:エンカウントその2



 アルストロメリアとは別のエリアでファンタジートランスをプレイする人物は何人かいる。

そのプレイヤーのスコアも、実は総合で反映されているのだ。これは、ある意味で想定外とも言える仕様と言えるだろう。

【エリアAとエリアB? どういう事だ】

【おそらく、大量ログインを想定しての別サーバーと言う事だろうな】

【エリアAサーバー、エリアBサーバーと言う分け方をしていると言った方が分かりやすいか?】

【ARゲームで同時ログイン1000名とかあり得ないだろう? ARゲームを運営するのにフィールドが必要なのは明言されているし】

【確かに、広いスペースがARゲームには必要だ。それは一部ジャンルに限られると言えば――】

【その対象にはファンタジートランスが入っていないと?】

【そうは言っていない。リズムゲームの場合は、広いフィールドを使わない作品もあるが―ーファンタジートランスは違う】

【違うって?】

【このシリーズは、リズムアクションゲームだ。普通に演奏をするだけのリズムゲームとは違う動きをする】

【それなのに、広いフィールドを使うのか? 対戦格闘でも四角いリング位の広さとか、バトル漫画位の広さでもいいのに?】

【そうなるだろうな。どう考えても、リズムゲームでフィールドを広く使いすぎる気配があるのは事実だが】

 スコア速報を見て、何か気になる項目を発見したプレイヤーの一人が疑問をぶつけた結果――思わぬ回答が飛び出す。

つまり、エリアAとエリアBではプレイしているプレイヤーが異なると言うのである。



 アルストロメリアのスコアは――確かにエリアBから見れば、下から数えた方が早いだろう。

しかし、彼女がプレイしているのはエリアAサーバーであり、そこで見ると上位に該当する。

「そう言えば、所属エリアって――」

 アルストロメリアはARバイザーに所属エリア表示が出ていた事で、別の違和感に関しては解消する事になった。

自分が最初にデータエラーでログアウトする羽目になったのは、エリア表記を確認していないが――Bだったかもしれない。

カトレアが手まわしをしたのかは不明だが、現在プレイしているエリアはAエリアと表示されている。

【所属エリアはAとなります】

 改めてメッセージを見て、所属エリアを確認したアルストロメリアは――何かの感覚をつかんだかのように、矢印の指示に従って移動を始めた。

そのスピードは、先ほどまでが慎重になって歩いていたのに対して駆け足気味になった――と言うべきか。

「やはり、システム周りには――あのシステムが使われている」

 そして――次のゲート近くまで到着した所で、残り時間は10分になっていた。

《残りタイムリミットが50%を切ります。コンティニューをする場合は、支払い方法を再確認ください》

 ある意味でシンクロしている状態を途切れさせるために仕組まれているような――メタ発言とも取れるメッセージだ。

この他にも、様々な部分で明らかに作り物の世界と認識させる為の演出、システム、ギミック等は多く存在している。

 ARアーマーに関しても、傷が付くような事はない。ゲーム的な演出の関係上もあるが――詳細は企業秘密のようだ。

これはアーマーやウェポン等がCGで表示されている為であり――物があるという認識はあるかもしれないが、感触は皆無に等しいだろう。

《目的地に到着しました》

 ARバイザーのメッセージには、目的地到着を知らせるアナウンスが表示された。

それを見て――アルストロメリアは改めて手に持っていたロングソードを持ち直す。それ以外にもウェポンを使うかどうかは――相手次第か?

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