背徳感
こんな時間にアイスを食べるなんて───
時計の針が真上で重なり合ってからしばらく経った後、俺は一人アイスを食してしまった。別に、この時間に食べようと思って食べた訳ではなく、ただ何となく冷凍庫の奥に入っていたアイスを見つけたからであって、結果としてこんな時間にアイスを食べてしまったという訳だ。
「悪いことは何もしてないのにな・・・」
そう、俺は何一つとして法に触れるようなことは勿論、道徳的に悪とされることをしでかした訳では無い。それなのに、どうしてこんなにも胸のあたりがもやもやともどかしいのだろう。
「いっそのこと、怒られればスッキリすんのかな」
いくら問いかけたところで返事をしてくれない背徳感は、布団に入って目を閉じれば忘れてしまうちんけなもの。だからきっと、俺はそれを繰り返す。
誰も何も言ってくれないから。
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