第130話 勝てない -09
唐突だった。
後ろからセバスチャンの足が伸びてきてフランシスカの腹部を捉えたかと思うと、そのまま後方へと吹き飛ばされた。蹴り飛ばされた訳ではないので打撃は受けていないが、移動最中に腹部を突然に引っ掛けられたこともあって多少の衝撃はあった。
「ぐぅ……ッ!」
いきなりだったこともあり、為すがままに後方のビルに当たるまで吹き飛ばされてしまい、怪我を受ける程のダメージではないが背中に受けた衝撃で声が出てしまった。
痛みは多少はあった。
だけど、それ以上に怒りで脳が沸騰していた。
セバスチャンの静止を振り切った自分が悪いのは分かっている。
しかしながら、いきなり足蹴――正確にはされていないのだが――にされたのだ。
何の言葉も掛けられずに。
口で止めても駄目だから手を出したということか。
「ちょっとセバスチャンどういう――」
どういうつもりなの!? ――そう問いを投げようとしたフランシスカは次の瞬間、言葉を失った。
「……ガハッ!」
彼女が見たもの。
それは、セバスチャンが刀をエーデルの腹に突き立てている姿であった。
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