★★ Very Good!! それは甘くて、甘くて……どこか切ない あさぎ かな 過去は甘くて、優しくて、保管されている。 けれど現実はあまりにも辛いことが重なっていく。 緩やかに滅びに向かう描写が素晴らしかったです。 2000文字に込められた切なくて、狂気に色づいていく物語。 幸福とは? ──と考えさせられるお話でした。 レビューいいね! 2 2020年12月13日 11:00
★★★ Excellent!!! ゆるやかな… アナスタシア 美しい、と思うほど文字どおり甘い少女の滅びをみさせていただきました。ありがとうございます! レビューいいね! 2 2020年5月13日 22:45
★ Good! あまくてせつない 刀綱一實 あまくてせつない。 どうしてでしょう、この短編を表現するのにはひらがなが似合う気がします。現実だけ見ると誰も救われていないように感じますが、その中でも美しいものに魅入られる精神の強さが全編を貫くのが心地良い。高度に練り上げられた飴の美しさと、少女の希望がシンクロしています。 ここからは私の個人的な事情も絡みます。私も父と母が別れて母についていきましたので、父とは十数年音信不通です。時々、昔を思い出すキッカケになるのは──なんでもないものをふと見た時だったりするのですよね。日常に潜む思い出のかけらは、なかなか消えてくれません。 少女は、どうなるのでしょう。後悔している母と彼女の世界は、いずれ交わる時が来るのでしょうか? 私は平行線を生きていくような気がするのですが、これ以上は邪推になるので控えましょう。 レビューいいね! 2 2020年1月18日 08:24
★★★ Excellent!!! 甘く密やかに満たされる 甲斐ミサキ 砂糖菓子、なかでも飴玉に執着した少女の物語。 美しく綴られる甘い甘い、その中に密やかに込められた狂気の色が見える。 甘くない場面が一つだけある。 からだに循環し満たすものについての記述だ。 「塩辛い血潮ではなくて、甘い砂糖水なのではないでしょうか」 この一行は人生は必ずしも甘いものじゃない、と逆説的に問うているのではないか。 読後にかすかな苦さが残る一篇です。 レビューいいね! 2 2018年8月15日 00:44
★★★ Excellent!!! 甘く幸せな滅び K 砂糖を主軸に目まぐるしく展開していく少女の運命。 濃い内容ではありますが、優美な文章とキャンディの蕩ける甘さで柔らかく包み込まれています。 同じ飴玉なのに、どの場面をも彩り鮮やかに飾る豊かな描写はさすがです。 レビューいいね! 1 2018年8月12日 15:02
★★★ Excellent!!! その少女の体は、愛という砂糖でできている……はずだった 通行人C「左目が疼く…!」 さらっと読める短編なのに、これだけ説得力のあるお話にできるのは、作者さんの力量でしょうね。素敵です。 せめて本当にその飴が愛ならばと思わずにはいられません。 レビューいいね! 1 2018年1月7日 10:25