第60話
やはり松明のようだ。
「来る。来る。来る。なんなの、こいつ。めちゃめちゃ気持ち悪いし、めちゃめちゃわけわかんない。その上こいつ、とてつもない力を持っているわ。こんなやつさっさと始末しないと。ほんと、とんでもないやつだわ」
雅美が言い終えた途端、吸鬼がいきなり現れた。
何処かを通って来たと言うよりも、それはまるで瞬間移動でもしてきたかのようだった。
吸鬼はそのまま円の内側に入った。
すると雅美が円の外側に飛び出し、桜井が松明を投げ入れた。
「走れ!」
桜井、そして雅美が走り出した。
上条が慌てて後を追う。
三人でなだれ込むように外に出ると、桜井が言った。
「車へ。とにかく早く逃げるんだ」
桜井、雅美、そして上条が車に乗り込んだ。
車が走りだした時、それは起こった。
爆発音。
そして建物のすき間から、強烈な閃光が放出された。
――なんだあ?
上条が思わずアクセルを緩めると、前を走る車と離されてしまった。
――くそっ。
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