第39話
○ 吸鬼は殺されない限り、いつまでも生き続ける。
○ 吸鬼を刀や鉄砲などで殺すことはできない。闇であるから。
「また、闇か。一体どんなやつなんだ」
「……」
レポートはそこで終わっていた。
上条が桜井にレポートを手渡して言った。
「それで、これからどうする?」
「そんなの決まっているだろう。探すんだよ、巫女を」
「巫女を、探すって?」
「そう。神社の家系に生まれ、オッドアイで若くて処女の女性だ」
「そんなのいるのかよ。たとえいたとしても「吸鬼といっしょに封印されて死んでください」と言われて「はい」なんて言うかな?」
「条件を少し修正しよう。神社の家系に生まれて、オッドアイで若くて処女で、自己犠牲精神の高い女性だね」
「おいおい。よけいに厳しくなったじゃないか。ほんとにそんな都合のいいやつ、探しているのかよ」
「いないかもしれない。でも日本人は一億三千万人もいるんだ。いても不思議ではないと思うよ。可能性が高いとは、決して言えないけども。……そうは言っても」
桜井は上条の肩の上に手を置いた。
「巫女がみつからなければ、僕らは終わりだ」
「……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます