第284話合同訓練

「もう少しで上手くいくところだったのに。邪魔してくれたね」


「上手くいく?」


どういう意味だろ?


「日本では『もうお嫁にいけない』って言うんだろ?」


「そうだけど、それは創作の中だぞ」


流石に、キスしただけで結婚はしないよ。


「アリシアがそういったんだけどね」


ホント、変なことを教えるのはやめてくれ。


「それよりもさ、今は日米合同訓練を行っているんだ。邪魔しないでおくれよ」


「そういえば、そんなことをしていたなあ」


遊んでたイメージが強いせいで忘れていたが。


「本当? だったら、どうして水着なの?」


ブリティッシュの金髪が、ジト目で見てくる。


「それは、ビーチで訓練するからじゃない?」


でも海に入ったわけじゃないしなあ。


言ってて疑問に思う。


「それだったらボクも」


いきなりオリヴィアが服をたくし上げだした。


「おい、やめろ」


俺は見ないように、手で顔を覆う。


魔法の副作用か何かで、脳に影響が出たのか?


「やだなあ。水着を着てるに決まってるじゃん。海辺だと聞いて用意したんだよ」


ショートカット嫁は、からかうように笑う。


「見て。黄色にしようかとも思ったんだけど、違う色にしてみた。似合ってる?」


意外にも白い清楚系の水着であった。


別にセクシー系のキャラではないのだから、何の問題もないのだが。


「悪くないと思うよ」


「ありがとう。でも、もっと褒めてくれてもいいよ」


そういって、波の中に入る最初の方の自称嫁。


「ほら、戦前は同盟を組んでたみたいだし、日英で訓練しようよ」


「実を言うと、わたくしも着てるんです」


そういってマイシスターも脱ぎだした。


赤いセパレートタイプの水着である。


「どうです? 本家から送られた水着なので、似合ってるのかどうかは分からないのですが」


「いいよ。すごくかわいいと思う」


「そう言ってくれて嬉しいです」


俺も可愛い姿を見れてうれしいよ。


「じゃあ、3人で日英合同訓練だ」


「だったら、ウチはその訓練を見学させてもらうわ」


美少女好きなだけあり、サラさんは水着姿を見逃す気はないらしい。


「よしかも水着着てきたらよかったのになあ」


「私は遊びに来たのではないので、そんなものはいりませんよ。でも、一樹君が望むなら、訓練に協力してもいいかもしれませんね」

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