第266話流れ

「とはいえ、俺の腕は二本しかないんだよね」


複数人と手をつなぐのは不可能。


鐘をならすなら、そのために手を使うわけだし。


「なら、みんなして一樹はんをつかんだらええんやないか?」


「確かにな」


でも、それだと美少女が俺に密着してくることになるんじゃ?


これは嬉しい誤算だな。


いけないところがくっついてくれたら、もっとありがたい。


そう思いながら、今まで黙っていた銀髪の少女を見る。


「私もやることになっているのか?」


当然であるが、彼女はこの流れをよく思っていないらしい。


「どうしてもって言うなら、やめてくれてもいいけど……」


少し悲しそうな言い方にした。


「分かった。やってやるよ」


「本当か。嬉しいな」


「いいけど、お前を利用するためだぞ」


「分かってるって」


猛烈な勢いで否定しだす。


態度がツンツンなだけで、多分本当は照れているのだろう。


ハーレムができる日は近いぞ。


「よし、全員一緒にあの鐘をならそう」

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