第261自転車

翌日。


前日のように食堂に集まった俺たちは、全員で目的地の確認をしていた。


言い出しっぺはまたも眠そうであったが、親友のために頑張って起きたようである。


俺と結婚させようとしていないなら、けなげさに感動してしまうな。


「調べてみたが、恋人岬はかなり変な場所にあるようやで」


「そうなのか?」


観光地なのに、行きにくいなんて。


「そこへの直行バスは出ていないようやで。みんなそこへは、自家用車で行くみたいや」


なるほどな。


「となると、俺たちはどうなるんだ?」


最年長は先輩であるが、車の免許を持っているとは聞かない。


そもそもだが、この近くにレンタカーの店があるのか?


「だったら自転車で行くってことかな? ボクも自転車に乗れないことはないが」


「かなり古い自転車を使ったが、私も練習して乗れるようになったぞ」


日本では自転車が普及してるが、俺は海外がどうかは知らない。


しかし、この2人に関しては乗ることができるようだ。


「ウチもおかんにやらされたわ。結果的に役に立ってるので、感謝せねばあかんけどな。でも憎いで」


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