第225話可能性
『金属疲労ですか?』
「俺はその可能性はあると思っています」
忙しい合間を縫って、俺の電話に出てくれた先輩に返答する。
ののはの弱点を探るため、俺はPCとにらめっこをして金属について調べた。
その結果、一つの可能性に行きつく。
「あれだけ自在に形を変えさせたら、金属自体がもたないでしょう。ぽっきり折れても、おかしくないはず」
『言われてみたら、その可能性はある気もしますね。陰陽術だって、万能なわけではないですし』
「本当だったら、先輩に対抗できるはずもないでしょう」
ミサイルが使い捨てとはいえ、先輩は専用機自体を使い潰しているわけではない。
予想通りならののはの専用機は、自分の魔法で操ったパーツがいつか壊れ、修理しなくてはいけなくなるはずだ。
そうなったらコスパが悪いと叩かれる先輩以上に、ののはは周囲から嫌がられるのだろう。
『私が直接見たわけではないから何とも言えません。とはいえ、何のリスクもなしに、強い魔法が使えるとは思えませんからね』
「もし事実なら、これを広めれば仲間は去っていくでしょう」
と言うより、風評でも悪いウワサが立てば、ののはは信用されなくなるだろうし。
仲間が減れば、実績のあるロリ先輩のほうが家を継ぐ可能性が高くなる。
「この勝負、十分勝算がありますね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます