第215話従妹

と言うわけで、恒例になってきた説明を、ほかの女の子に行うことになった。


すでに先輩には話を通してあるため、サラさんも含めた4名に来てもらう。


「一樹ってさー、女の子を引き付ける魔法か何かを使えるの?」


「失礼ですが、誘蛾灯の女性版に思えてしまいますね」


案の定、2人からは呆れられました。


「まあ、ウチとしてはおもろいと思っとるよ。よしかが後継者になれば、それで解決やからなあ」


いつものようにケラケラ笑う、くすんだ金髪少女。


「そうだけど、それで終わりってのも……」


それ以外で解決ができたほうがいいと思うし。


「それで、お前はどうする気なのだ?」


銀髪の軍人は、あまり興味がなさそうに言う。


「あ、先輩から言われ、従妹に会うことになった」


「そいつがほかの後継者候補なのか?」


「あ、その人のことなら、ボクも知ってるよ。あまりいい評判ではないけどね」


「わたくしも聞きました。金属性の魔法が得意だとか」


俺たちの話に割り込む2人。


「ウチは美少女かどうかくらいしか、興味がないで。勝手に会ってくれや」


「うん。会うためのことなんだけど……」


いくら先輩の婚約者という扱いとはいえ、さすがに押しかけていくわけにもいかない。


ゆえに、会う機会が必要になる。


「分かりました。お披露目会のことですね」


俺が言う前に、桜子に先を越されてしまう。


「うん。その従妹も専用機を作ってもらえることになったらしい」


その手柄を周囲に誇るため、そんなことをやるみたいだ。


自分が後継者になるため、ほかの一族を取り込むのが狙いなのだろう。


「その話はわたくしも聞きました。一応、日本政府が決めた、専用機持ちの端くれですので」


「そこでその従妹に会い、話をつける」

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