第140話収束

「なるほど、男慣れをするためにね」


「日本、いえ世界を担うのが賀茂家ですから。確かに恋愛経験を積むのは大事ですね」


「本当に納得しているのか?」


今も不穏な空気だが、一応収まってくれた。


「だけど、黙っていなくなるのはね。まあ、つけていたけど」


「それはごめん」


言うと、絶対に話がこじれると思った。


「ボクを一番にしてしてくれるならいいよ」


今現在、不可能です。


「それはいいとして、先輩から何かを」


「おばあさまから、男性経験がないと家を継がせないと言われまして。不本意ですが、一樹君を借りました」


「そんなことを言ってるけど、本当はよしかさんを後継者に決めていると思うよ」


「実際、家を次ぐのは、今のところ難しいですよ。私は五行が使えるバランス型ではなく、火属性魔法しか得意ではありませんから」


「ですが、よしか様は多くの実績を残していると聞きます。よしか様のおかげで、日本の魔女に対する評価が高まってるという話ですし」


「何個かの基地にお世話になりましたが、みなさまに優しくしていただいたおかげです」


「謙遜しちゃって」


何故か、仲良くしゃべり出す女の子たち。


「ま、いいや。よしかさんに付き合って、恋愛経験を積ませてあげればいい。でも、賀茂家の令嬢をキズモノにするのがどういう意味か、愚かではないキミならわかるよね?」


「お兄さま、今日は早くお帰りください。間違っても朝帰りにならないように」


「何というか、連れが騒いですまん」


3人は去り、俺と先輩が残された。


「続きはどうしましょう?」

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