第122話開始

「それで、どういう決闘方法なの? 一応、ボクたちの専用機は再現してくれたけど」」


ジト目でエミリーを見る嫁。


「三本勝負で行う。私とお前たちが戦い、二本取ったほうが勝ち。OK」


「ああ、OKさ」


「それなら、最初の試合をしよう」


彼女が指を鳴らす仕草をし、偽りの空間に音が響いた。


「最初の試合はこれを使うよ」


「ジャガーにコンドルだね」


俺たちの目の前に現れたのは、かりそめの生き物。


「これを的に撃って、多く当てた方が勝ちだ」


「一応聞くけど、このゲームは君が用意したものだよね? インチキはしてない?」


嫁が表情を変えずに言った。


単に、表情まで動かすようにできてないだけだろう。


「当たり前じゃないか。ほら、あなたのライフルだよ」


パチンという音とともに、オリヴィアの前に狙撃用レーザーが現れる。


「どうも。重量までは再現できないようだね。試し撃ちをさせてもらうよ」


「フルダイブ型じゃないから当然さ。ご自由に」


英国の魔女は重量も触感もない銃を握り、引き金を引いた。


仮想空間に光の軌跡が描かれる。


「光速で飛ぶレーザーが、見えるはずがないのに」


「それはいいとして、勝負を始めよう」


米国の魔女は、再び指を鳴らす。


ターゲットである仮想の生き物が動き出した。


「私はこの銃を使う、文句はないね」


「アメリカ軍が使う狙撃銃。別にいいよ」


「私が合図したらスタートだ。3、2、1スタート」

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