第112話襲撃

「こんな時に来日とは」


教官に呼び出されたとき、何事かと思った。


怒られるかと思ってびくびくしていたが、そうではなくてほっとする。


だが、それ以上の問題なのかもしれない。


「アメリカは何を考えてるんでしょう?」


いきなり来た、米軍所属の魔女からの連絡。


何故か日本にやってくるらしい。


というより、俺がいる基地にだ。


「しかも、大きな荷物を抱えて」


来ると言っても、旅客機ではない。


空路を確保し、軍用の輸送機を使ってだ。


当然、費用と手間がかかっている。


お目付け係なのか、彼女の副官も同行するとか。


「まあ、お前を見る意味はあるだろうな」


「俺、そんなに有名ですか?」


「とびっきりのイレギュラーだ」


男なのに、マナ量がとても多い。


教官はそう付け加える。


「そうでした」


ある意味、魔女よりよっぽど珍しい俺。


「しかし、それだけでやってくるのでしょうか?」


そうさせる何かがあるかもしれないけど、俺ってそんなに役に立つのか?


「関係があるかは分からないが、アメリカは込み合った事情なのだ」

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