第94話測定

出撃前の簡易測定。


万全を期すため、やることになった。


測定には、基地に置いてある備品を使う。


もちろん、測定するのは佐伯女史。


測る前から、熱烈的な視線をマイシスターに注いでいた。


「あら? 桜子ちゃんは瞬間マナ使用量が高いわね」


「はい、一族のものからも同じことを言われます」


瞬間マナ使用量とは、その名の通り一瞬でマナをどれだけ使用できるかの量だ。


いくら体内にマナが残っていても、1度で魔法に使える量には限界がある。


術式の効率化などもあるが、基本的にこれが多いほど強い魔法を使えるわけだ。


授業で聞いた時はちんぷんかんぷんだった。


あとから金髪先生に個人教師になってもらい、何とか理解できたのだが。


銀髪先生も、捕捉で教えてくれた。


2人とも感謝してます。


「だからと言って、一樹君のように体内マナ貯蔵量はそれほど高くもない」


「分かっています。マナ切れになる前に短期決戦を心がけていますわ」


「そのせいで自滅するかもしれないから、気を付けてね」


ほかと比べれば多いが、桜子のマナ総量は魔女の中では高い方ではないらしい。


体外マナも併用して負荷を和らげてるとは言え、AAを動かすには基本的に自分の体内にあるマナを使う。


瞬間使用量が高く、マナ総量が低い。


それだと、すぐにマナが底をついてしまうだろう。


ゆえにマイシスターは長期戦を嫌い、短期決戦を目指すわけか。


「私の測定が終了しました」


「ボクの方もだよ」


「俺も終わりました」


「全員、異常な数値は出ていないな」


「このまま予定通りの作戦ができそうね」


いいデーターに期待した佐伯氏はやはり笑顔。


「ではいこう。くれぐれも、彼らには気を付けて」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る