第79話会議

「やったきたか」


「一樹君、ゆっくりだったわね」


「遅いぞ」


「すまない」


文句をいうサーシャ達に謝る俺。


「お兄様もいらしたことですし、会議を始めましょう」


さっきまで俺の部屋にいたマイシスター。


コイツ、支度が素早い。


「では、こちらから意見を伝えさせていただきます。結論から言うと、わたくしはお姉さまたちを信じきれません」


「どういう意味だ?」


眉を吊り上げた銀髪美少女。


「ひどいよ、桜子ちゃん。お姉ちゃん、傷ついちゃう」


さっそく義姉気取りの金髪の魔女も反論。


「お姉さま2人に聞きます。どんな時でもわたくしのお兄様を守り抜けると誓いますか?」


「ボクは誓うよ」


オリヴィアが。


「私はできない」


当然の答えだろう。


「何故です? お姉さまはお兄様を愛していらっしゃらないのですか?」


「おい、変な言い方をするなよ」


マイシスターはデリケートな場所に、容赦なく踏み込んでいく。


「当たり前だ。私はアイツを利用しているだけで、なんとも思っていない」


「分かりました。それがお姉さまの答えなのですね」


「そもそも、私はお前の姉ではないのだが」


「わたくしについてきてください。実力を測るために、軽く模擬試合でもやりませんか?」


「私はかまわないが……」


サーシャは横目で教官を見る。


「行って来い。そうしないと分かり合えないこともあるさ」


そう言ってため息をついた。


「まずは装備がある格納庫にご案内します。そのあとわたくしが、かるーくお姉さまをもんでさしあげますわ」


マイシスターは笑顔で言った。


が、その裏に深い闇がはくれている気がしたのは、俺の勘違いなのだろうか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る