第75話ハーレム?


「疲れた」


妹に邪魔されたせいで、風呂にも入れなかった俺は、自室に戻るなりすぐにベッドへ倒れこんだ。


「やっと休めるよ」


思えば、今日という一日はすごい。


非常に密度が高い日であった。


「どうしてこんなったのだろう?」


遠く離れた異郷に辿りついたと思ったら、その地で幼き時代を一緒に過ごした妹と再会。


突然のことで驚愕した俺であるが、マイシスターは予想以上に話が通じない。


勝手に、一族に入れられかける。


魔法の力かチェーンを外して、風呂の中にまで押しかけてきた。


「それだけでも厄介なのに、どうしてあの2人まで」


妹といちゃついたと思い、俺を攻撃しだす。


嫉妬してくれてるなら嬉しいが、これでは体がもたない。


俺の一番の目標は、もちろん借金の返済。


重すぎるものを背負わされたおふくろの、肩代わりをすることである。


でも、ハーレム建設も、その1つであるはず。


「これがハーレムなのか?」


実際にそんなものがあるのなら、もっと女の子同士が仲良くしているであろう。


やっぱり、そうではないのか?


「なら、どうすれば?」


やっぱり、ハーレムなんて無理なのか?


「明日も荒れるだろうな」


マイシスターとあの2人が、急に仲良くなるとは思えない。


俺はそんなことを考えながら、服を着替えもしないで眠りに落ちた。


できれば、もう少し平穏であってくれ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る