第25話不満

「グランドを借りて練習するぞ」

 

サーシャの意見でそう決まる。


 俺たち3人は専用機もち。

 

一応、エリートになっている。


 だから、借りられるだろうな。


 そう思ったので申請に行く。


「ボクが頼んだら、基地のお偉いさんが許可してくれたんだよ」

 

オリヴィアの力を思い知る。


 味方でよかった。


「少し気にくわんが、訓練を始めるぞ」


 陣形の再確認。


「俺が先頭で、敵の足止めをすればいいんだな?」


「そうだが、それはもしもの時だ」


もしもの時?


「お前のAAの開発コンセプトは理解している。それが作られた理由もな」


「だったらなんだ?」


「しかし、お前はただの素人だ。ただマナが多いだけのな。お前に私は何も期待していない」


「それで?」


 言われ方はひどいが、意味は理解できる。


「お前がクリーチャ―とまともに戦えると思わない。私たちの足を引っ張るだけだ」


「そうかもな」


「だから、戦闘は私とオリヴィアでやるからな。お前は見ていろ」


「しかし、それではデーターが集められない」


 俺の役目はデーター収集。


 実戦で役に立つ情報を集めることである。


「戦わないなら、それができないだろ?」


 日本政府が望むことをしないと、カネがもらえない。


「そんなことは私には関係ない。足手まといを抱えて戦い抜けるほど、異世界化空間は甘くないのだ」


「分かっているよ」


 素人には荷が重い仕事であることぐらい。


「なら、何もするな。近づいてくる相手がいたら、練習中の刺突を放て。だが、それは最後の手段だ」


「でもな……」


「なら、お前を試すか?」

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