第23話チーム


「こいつと一緒に戦場ですか?」


 またも、教官によっておかしいことが決定されたようだ。


「ああ、お前ら二人に面倒を頼んだのだからな。そのまま異世界化空間での戦い方も教えてほしい」


「しかし、まだ早いのではないでしょうか? 素人丸出しの足手まといを抱え、安全を確保し続けられる自信はありません」


 サーシャが否定的だ。


 俺もうまくいく自身などない。


「だが、初陣は誰にでもある。お前らもそうだろ?」


「ですが……」


 渋るサーシャ。


「日本政府からの要望なのだ。早く実戦データーを集めさせるために、お前と組めと」


「教官も同じ意見なのですか?」


「上から命じられた以上、私に断る権利などない」

 

AFは多国籍軍。


 教官は日本の自衛隊所属になっている。


「私からもお願いするわ」


 こういったのは佐伯さん。


「早くあの機体と、一樹君のデーターが見たいのだもの」


「そう言われても私には……」


 サーシャが困っている。


「その人は気にしなくていいよ」


 勝手に話が進みそうになっていた中に、俺が入っていく。


「ひどくないかしら?」


 佐伯さんが抗議するが、俺は無視した。


「だが、いつまでも遅くできないぞ。最悪、テスターを下されるかもしれない」


「分かっていますよ。教官」


 俺にこの仕事が回って来たのは、運がよかっただけ。


 期待通りにいかないなら、簡単にやめさせられてしまう。


 借金も返せなくなる。


「だから、俺も行きたいと思う。アナスタシア、俺に付き合ってくれ」


 頭を下げた。


「本人もこういっているぞ」


「ボクも混ぜてよ」


 オリヴィアまで。


「わかりました。お受けします」


 サーシャが教官に言う。


「役割分担を決めよう」


 笑顔のオリヴィアだった。


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