相手を思って紡がれるまっすぐな言葉が、読み手の心も優しく照らします。

何かに行き詰まったり、悩んだりしている人にぜひ読んでいただきたい、澄んだ夜空に優しく煌めく星のような物語です。

不仲な両親の元で幼少期を過ごした主人公・柊司は、自分がかつての父親のような男になるのではという恐怖から、女性に対してなかなか心を開くことができない。
そんな彼が、バイト先のカフェの向かいにある雑貨屋から出てきた女の子の探し物に付き合うことになり、毎晩二人で空き地を探し回るようになる。

ゴトウさんと名乗る女の子は、人形のように可愛らしい見た目ながらも正体のつかめない、とても不思議な女の子です。
けれども、柊司の胸の内に秘めた苦しさを思いやり、誠実に、一生懸命に紡がれる彼女の言葉は、柊司だけでなく読み手の心にもじんわりと浸み込んできます。
柊司君は過去の足枷に囚われて苦しんでいますが、多かれ少なかれ誰もがもがく苦しみを味わったことがあるはず。
くすりと笑えるたとえ話や心がふわりと軽くなるような言葉に癒されながら、彼と彼女の交流の行方をあなたもそっと見守ってみませんか。

(1/24最新話まで読んでのレビューとなります)

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