雪融け
幸を横たえた雪蛍の体から力が抜けた。彼女はへたり込み、そっと彼の頭に手を遣った。その様子を見ていた浜路たちも胸をなでおろすような思いだった。
「あぶねえとこだった。……八街の旦那は、その」
「すぐ、そこに引っかかってた。木の根っこのところに」
髪の毛をかき上げながら言った雪蛍の額には汗が滲んでいる。彼女は言わなかった。壁面の木々はオリガの異能の余波で大半が砕けて折れていたのだが、幸はまるで、神さまにでも守られているかのように、小さな洞の中で気を失っていたのだ。
「あいつは見つからなかったけど」
「あの光をまともに食らったんだ。生きているはずがあるまい」
深山は長い息を吐き出す。彼もそうだが、他のものも傷だらけだった。ここの足場もいつまで持つか分からない。一刻も早く地上に戻りたかっただろうが、彼らは、オリガとアレクセイを放っておけずにそのままでいた。
日限は、二人の傍に立っていた。オリガは跪くような姿勢でアレクセイの手を握り、何事かを話しかけていた。それは二人しか知らない秘密の思い出だとか、好きだったもの、嫌いだったもの、取り留めのない話だった。
しばらくの間そうしていると、がやがやとした話し声が聞こえてきて、《花屋》の二人や、地上にいた狩人たちが姿を見せた。彼らは最初こそ驚いていたが、古川たちから事情を聴き、神妙な顔になった。
「おい、潮時だ」
「……ああ」
日限が声をかけた時、オリガは素直に言うことを聞いてアレクセイの手を離した。日限は彼女の態度に違和感を覚えた。
狩人たちが負傷したものに肩を貸し、一人、また一人と地上を目指す。その内、日限たちにも声がかかった。
「よう、あんたら大丈夫か? そっちのでけえ……やつは俺らで運ぶからさ」
「ああ……」
日限はオリガの様子を盗み見た。彼女は黙って、佇んでいた。今にも消えてしまいそうな覇気のなさだった。
「いや」と日限は狩人たちに首を振った。彼はアレクセイの亡骸を見て、抱き起こした。
「すまないが、彼を負ぶっていくつもりだ。背中に乗せてくれないか」
狩人たちは顔を見合わせる。
「いいけど、いいんすか?」
「ああ。彼は……友人だ。私が連れて行く」
狩人たちは遠慮がちにしながら、日限の手伝いをした。アレクセイを背負った彼は、誰の手も借りず、少しずつ、ゆっくりと立ち上がって、歩き出す。
歩く度、日限の全身から汗が噴き出した。流れるそれを拭えず、日限はぎしぎしと軋む体に鞭を打つ。そうやっていると、ふと、アレクセイの体が軽くなった。気になって振り向くと、オリガが手を貸しているのが見えた。彼女はふっと笑んだ。
「安心しろ。もう、死ぬつもりもなくなった」
「そうか」
「アリョーシャが言ったことの意味、私にだって分かる」
「うん」
日限はまた歩き始めた。オリガがアレクセイの体を通して、日限の背中を押していた。
「扶桑へ行く。アリョーシャの望みを叶えてやりたいんだ」
「ああ、そうだな」
「お前も行くだろう?」
「まあ、そうだが」
「ついてきてもいいぞ」
ふ、と、日限は思わず笑った。
「何がおかしい」
「いや……私たちだけでは難しいだろうな」
「誰か使えばいい」
「それもいいが、頭を下げて誠意を見せればいい。だろう?」
オリガは目を見開き、それから、くつくつと喉の奥で噛み殺すように笑った。
「ありがとう、日限。アリョーシャのこと、友達だって言ってくれて。私はあの子の友達にはなれなかったから。だから、あの子に友達ができてよかった」
「うん」
「ありがとう。ありがとうな……」
日限は足に力を込めた。彼はずっと、オリガの泣き声を聞いていた。
「全員行ったか」
「みてーだな」
屏風と狼森は、皆が上がっていったのを見送ってから、周囲を歩き始めた。瓜生は死んだが、彼が何か遺していないか気になったのだ。
「あいつ、なんでこんなとこに来たんだろうな」
「なんでって……」
屏風はパーカーのポケットに両手を突っ込み、小石を蹴っ飛ばした。それから近くに落ちてあった壊れた容器を拾い上げた。
「なんだそれ」
「さあ? っつーか、だって何もねーじゃんか。どういう頭してたらこんなとこ来るんだ? オレにゃー分かんねー。ここ、立ち入り禁止だったみてーだしよ」
「何か、あるんじゃねえのか?」
「そうかなあ」
「もしくは」
狼森は暗がりを睨むようにして言った。
「いたのかもな。誰かが」
「誰かって?」
「知らねえよ。でも、誰だって好き好んでこんなとこにゃあ来ねえよ。来るとしたら後ろ暗いやつだろ」
「そいつと待ち合わせでもしてたのかな。ここだったらさ、人に見られることなんかまずねーだろうし」
二人は考え込むようにして口を開かなかった。やがて、足場が震えた。いつ崩れるとも知れないのだ。ここに立ち入ることはもうできないかもしれない。謎だけを残して立ち去ることになる。
「なーんか納得いかねえなあ」
屏風はつまらなそうに口を尖らせる。狼森は髪の毛をくしゃくしゃにかき回して煙草に火を点けた。彼女と同調するのは不満だが、何だかむかっ腹が立つのもまた事実であった。
岬に――――母に会った時、幸は恐ろしかった。
あの声を聞き、涅色の触手に捕らわれた時、安心してしまったのが怖かった。声は甘く、その腕は温かかった。いつか、母の腕の中で揺られて眠っていた頃、何もかもを他者に預け切っていた記憶が蘇る。
母さんは死んだんだから、ぼくのことはもう放っておいてよ。だってそんなの、嫌だ。
また、甘えてしまいたくなるから嫌だった。
どんなに強がっていても母の前では無力だった。それを噛み締めるのが途轍もなく嫌だった。
学生にとって休日とは貴重なものである。夏休みともなれば、それは更に貴重である。更に。夏休みが終わるにつれてその時間はよりプレミアムなものになる。同じ一日、同じ二十四時間のはずなのに、始まりと終わりとでは全くもってはっきりと違うのだ。八街幸はその貴重な時間をベッドの上で浪費することとなった。
「ちゃんと歩けてるみたいだね」
むつみは、幸の様子を気にかけながら歩いていた。
「全く。お馬鹿なんだから君は」
「宿題とか、先にやっててよかったです」
「メフに来てから何度目の病院だろうね」
「三回目、四回目だったかな」
「数えてるんじゃないよ」
むつみは呆れた様子で家の鍵を取り出す。マンションの部屋の前に立った時、幸の顔は自然とほころんだ。夏休みの最終日になって、幸はようやく退院することができたのだった。
家の中は蒸し暑く、幸とむつみはげんなりとした。彼女は荷物を床に置き、リビングの椅子に座って冷房を入れる。
「ぼく、ちょっと着替えてきます」
幸は自分の部屋に戻った。その瞬間、机の上のテラリウムからがそごそと音がして、小さな蛙がぴょこんと飛び出してきた。
「ご主人! お帰り!」
「あっ、ただいまです」
「よかった。死ぬんじゃないかと思ったよ」
幸はベッドの縁に腰かけた。
「大げさですって。足もほら、元通りになりましたし」
鬼無里カエルは首を振った。
「ご主人様のことじゃない。私のことだよ。君がいない数日の間、叔母上に面倒を看てもらっていたんだけど、時折恐ろしい目で見てくるんだ。蛇に睨まれた蛙とはこのことかと、いつ食べられるか気が気でなかったよ」
鬼無里はやれやれと言って大きめの石に座り込むと、足をぶらぶらさせて幸を見上げる。
「しかし、メフの医療とは正しく魔法なのかもしれない。そう、改めて思ったよ」
「死んでなければ治せるらしいですからね。あ、ぼくの行きつけの先生だけかもしれないですけど」
「行きつけって……興味はあるけどね。どんな先生なんだい」
「子供みたいな人です」
「へえ、やっぱり、花粉症の力なのかな」
幸は小さく頷いた。異能には様々なものがある。人を傷つける力もあれば、癒すものもあり、何に使うのかよく分からないものだってある。
「何はともあれ、君が無事でよかったよ、ご主人」
言うと、鬼無里は水の中に姿を隠した。ややあってドアがノックされる。彼女はむつみのことが相当苦手らしいと分かり、幸は苦笑した。
「どうぞ」と答えると、むつみがドアの隙間から顔を覗かせる。
「あ、まだ着替えてない」
「今からです。覗かないでくださいよ」
「どうぞって言ったじゃん。リビング、もう涼しいからこっちおいでよ」
ドアの隙間から冷風がそよそよと入ってくる。幸は頷き、着替えてからリビングに向かった。既にむつみはテーブルの上に突っ伏し、海藻じみた髪の毛がだらりと広がっていた。
「お見舞い、ありがとうございました」
「んー」
むつみはそのままの姿勢で軽く手を上げて応えた。幸も椅子に座り、息を一つ。そうして口を開いた。
「母さんに会いました」
「んー」とむつみは顔を上げ、幸の顔をじっと見る。彼の言葉が戯れでないことを察したのか、彼女から表情が消えた。
「どこで?」
幸は、裂け目の中であったことをかいつまんで話した。むつみの表情は見る見るうちに険しいものに変わる。
「今はもう、どこにもいませんけど」
「……子煩悩め。どうしてまた出てきちゃうかな」
殺してやりたい。むつみは物騒なことを呟いていた。
「たぶんなんですけど、母さんは、嫉妬したんじゃないかなって」
「誰に」
幸はむつみに視線を定めた。彼女は訝しそうに彼を見返す。
「なんで私なの?」
「ぼくが『ぼくの家族は叔母さんだけ』って言ったからだと思います。……ぼくんち、ペットを飼ったらいけなかったんです。でも小学校の時、皆で遊んでる公園に犬が迷い込んできたんです。小さい、雑種のやつ。そいつが野良だって分かって、誰か飼えないかって話が出たんですけど、その犬、ぼくに懐くんです。ぼく、どうしてもその犬が気になったから家に帰って、お母さんに飼っていいか聞いたんです。そしたら『駄目だよ』って。どうしてって聞いたら、『犬猫に幸を盗られたくないから』って」
「……その犬はどうしたの?」
「分かりません。公園に戻ったらいなくなってたから」
むつみは息を吐いた。彼女は遠い目をしたり、窓の外を見たり、髪の毛をかき回したり、口元に手を当てたりして落ち着かない様子だった。
「どうしたんです?」
「別に、何も。まあ、なんというか、よくもまあそんなとこでまっすぐに育ったんだなあって」
「まっすぐですかね」
「猪みたいだけどね」
むつみは意地悪い笑みを浮かべた。
「でも、君も少しは嬉しかったんじゃないの? 姉さんのこと、嫌いじゃなかったんでしょうに」
そう言うと、幸はとても難しそうな顔になった。
「まだ甘えたかったんじゃないの? ん?」
「……叔母さんがいるからいいんです」
「え? 私に甘えたいの?」
「ちっ、違います!」
幸は椅子から立ち上がり、机の上を掌で叩く。意図していなかった行動なのか、彼は思わず自分の手を見てしまっていた。
「冗談なのに、そんな怒らなくてもいいじゃんか」
「ごめんなさい」
椅子に座り直した幸は、ふと、むつみを見た。彼女は母ではない。姉とも違う。血こそ繋がっているはずだが家族とも違うような気がしていた。友人でも恋人でも全くの他人というわけでもない。当てはまることが上手く見つからないのだ。それは恐らく、彼女も同じように思い、考えているはずだった。
ただ、今の幸には一つ、何となくではあるが、自分にとってのむつみを言い表せる言葉が思い浮かんでいた。
「お師匠さま」
「誰それ」
幸はまたむつみに視線を定めた。彼女はまた訝しそうにして彼を見返す。
「誰も弟子にした覚えはないんだけど。だいたい、私が何の師匠なのさ」
「その、生き方? とか?」
「また変なこと言って」
むつみは面白くなさげだったが、口にしてみると意外としっくり来たので、幸は彼女のことを勝手ながら師と認識することにした。
「あ、そうだ。ぼく約束があるから、そろそろ行きますね」
「足は?」
幸は立ち上がって足をぷらぷらとさせた。何度かその場で足踏みをして、くるりとターンを決める。
「よろしい、行っといで。何かあれば連絡するように」
「はい、お師匠」
「師匠じゃない」
駅前のロータリーのような場所が見えて、幸は少しだけ歩調を速めた。ここはメフと外とを隔てる検問所を抜けた先にある。幸も数か月前の春、ここにいて、むつみを待っていた。彼は立ち止まって辺りを見回す。自分は検問所の向こうからここへ来たのだ。今は違う。中から、外を見送るだけだ。それでいい。幸は再び歩き出す。
ロータリーの端の方に、ふうふうと息を切らし、ハンカチで額を拭っている日限がいた。幸は彼に手を振り、小走りになって駆けた。
「おいおい、走っても大丈夫かね」
「少しくらいなら平気です。時間、大丈夫ですか」
「ああ、そろそろバスが来る頃だな」
「そうですか。……寂しくなりますね」
日限は、ああ、と呻くように言った。彼はメフの住人ではない。あくまで一時的な滞在者に過ぎなかった。その滞在にも期限がある。これ以上ここにい続ければ不法滞在と見做されてしまうのだった。
「一度帰って、またここに戻ってくるつもりではあるが、さて、いつ順番が回ってくるか……」
「長いお別れになっちゃいそうですね」
「そうかもしれんな」
日限は、わざわざ真昼の太陽を見上げた。そうしてから、幸を見下ろす。
「まったく、分からんことばかりだった。ここに来て分かったことなど、分からないことばかりなんだということだけだ。なあ。あの時、君は、なぜ瓜生という男を助けようとしたのかね」
「見えたんです」
幸は続けた。
「ぼくは瓜生さんのこと、ケモノだって。真っ黒で、真っ暗なやつなんだって。そう思わないと戦えなかったから。でも、あの人にも事情があったから」
「……事情なんてものはどんな悪人にだってある」
「『お母さん』って。言ってたんです。ずっと、心の中で」
「あの男がか」
困ったように笑うと、幸は自分を指差した。
「ぼくも。アレクセイさんも。同じだから、何だか放っておけなかったし、それにぼくは……」
殺すつもりがなかった。そう言おうとしたが、結果は結果だった。幸はその言葉を飲み下した。
「気に病むことはない。忘れてしまうことだ」
「あ。じゃあ、忘れる前にいいですか。瓜生さんが最後、変なことを言ってたんです」
「何をだ」
「『メリステム』って」
日限は眉根を寄せた。
「聞き覚え、ありますか。ぼくはもう、まるでなくって」
「……確かにあの男がそう言ったのかね」
「もしかしたら聞き間違いかもしれませんけど」
腕を組むと、日限は顎を摩ったり、眉間の辺りを指で揉んだりした。
「ああ、くそ、説明する時間がないな。……植物でな、未分化な細胞が細胞分裂を繰り返している組織で……簡単に言うと『分裂する組織』のことだ」
「どうしてそんなことを、瓜生さんは」
「分からんが、まるで無意味ということはないだろう。やはり、扶桑に関わりがあるのかもしれん」
「扶桑ですか」
二人して、巨大な桜の木の方へと視線が向く。
「いいかね。扶桑はただの木とは違う」
「そりゃ、そうだと思いますけど」
「あれも異能なのかもしれない」
「え?」
日限は幸を見ないまま言った。自分で自分の言ったことを確認しているかのようにも見えた。
「逆なんだ。扶桑が異能を呼んだのではなく、異能が扶桑を呼んだ。花粉症の原因は他にあると、私はそう考えている」
「扶桑が、異能でできたもの……?」
「死なないものなどない。ならば
「はい」
「それから……」
腕時計を見やり、日限は息を吐いた。
「私の代わりに、時々でいい。様子を見に行ってやってくれんか。店番を任せているが、どうにも不安でな。それに、やつの目的も君や私と同じなんだ」
「もちろんです」
「うん。アレに近づく時は十二分に気をつけたまえ。まず、花だ。女性として扱わないと怒るんだ、やつは」
「はい?」
「持っていく花は奇数だ。偶数だと縁起が悪いらしい。色や種類にも気をつけたまえ。そうだな、無難なところでいい。ピンクか、オレンジか。とにかく花だ」
日限は他にも色々とまくし立てていたが、時間が来た。彼がメフを発つ時が来たのだ。
「ここまででいい。君は今、夏休みだったか。退院したばかりだろうし、わざわざ来てくれてすまなかったな」
「いえ、そんな」
「ありがとう。何かお礼をしなければならんな。君は変わったやつだが、私にとっては一流の狩人も同然だ。……前に渡せなかった報酬を払いたいんだが」
いいえ。幸は首を振った。
「コーヒーを一杯。だから、外に帰っても練習を忘れないでください」
日限はぽかんとしていたが、禿頭に手を当てて、困ったようにそこを掻いた。
「覚えておこう」
「約束ですよ」
まだ時間はある。幸は、花屋を探そうと決めた。
□◆
『喫茶タミィ』は緑の中にある。迷路のような道を抜け、木々のアーチを潜った先に木漏れ日を受けてぽつねんと。来訪者を最初に迎えるのは温かみのあるベージュ色の壁に水色のドアだ。まるで誰かの家へ遊びに来たかのような、隠れ家的喫茶店である。ドアチャイムの音ともに入店すれば、店内のインテリアは木材をベースにしてシンプルにまとめられているのが分かる。道に面した窓は大きく、陽光を取り入れているためか開放感があった。店に漂う濃厚な豆の香りを掻き分けるようにしてカウンター席に座り、店主ご自慢のブレンドを一杯。そうしてちょうどいいボリュームで流れるボサノヴァに耳を傾ける。鞄から読みかけの本を取り出してそれを開くのもいい。顔なじみの常連に目だけで挨拶するのもいいだろう。腹が減れば日替わりランチを頼むのもいい。店に時計はない。暗くなるか、気が済めば店を出ればいい。誰に急かされることもないのだ。あなただけの時間がここにある。そう、ここは喫茶タミィ。玖区住人の憩いの場である。そして吾輩は閑古鳥である。客はまだ来ない。
そのはずだったが、最近は少し様子が違う。気のいい店主がいなくなり、その代わり、カウンターには人形めいた白い肌の魔女が立っている。彼女は愛想が悪く、コーヒーを淹れるのもサンドイッチを作るのも不慣れだ。しかし不思議なことに来客が絶えない。ああ、そうだ。花を忘れてはいけない。いい花を持っていくといい。魔女が喜ぶ。ああ、そうか、と彼女は素っ気ない態度を見せるだろうが、次の日にも顔を出してみるといい。もらった花はきちんと飾られている。魔女はそれを楽しげに見つめているのだ。
吾輩は閑古鳥である。そろそろこの店を去る時が来たらしい。
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