あとがき


 初めに、更新をずっと追いかけて下さった皆様に心から感謝を申し上げます。

 応援♡をクリックしてくれた方、コメントを残してくれた方、★やレビューを下さった方には感謝の言葉をいくつ重ねても足りないほどです。


 総文字数253,737字、昨年12月2日から書き始め、ここまで書き続けられたのは皆様のおかげです。

 この場で改めてお礼を申し上げたい。


 本当にありがとうございます。


 この作品では、極力、シンプルな描写を心がけ、毎日更新、短時間で一話を読めるようにと書いたせいか、話数が多くなってしまいました。

 読者さんには、一話での負担は少ないでしょうけれど、話数をこなさねばならない負担をかけた結果となりました。


 他にも反省点は多々ありますが、とりあえず完結させることができたことに満足しています。

 (主人公は、半神としての力を手に入れるけれど、あくまでも普通のおっさんとして描けているかとか、脇役の人間性を描き切れていないなとか、回収する予定だった伏線をいくつか回収できなかったなど、他にも反省すべき点を持っています)

 



 この作品は、構想全体から見ると、主人公の玖珂駿介が過去悲劇的な目に遭った著名な方を現代へ連れてきて、自己満足を満たす趣味を送るために必要なこと


 ・主人公が希望する趣味を神々から認められること

 ・連れてきた方々にささやかだけれど第二の人生を提供できるようになることなど


を手に入れるために、神々の懸案事項であった諸々を解決するというスタート部分にすぎません。(スタート部に二十数万字も使うなよと罵声が聞こえる……)


 タイトルに”趣味的日常”とあるように、本来は、歴史上のイベントと向き合いながら日々の生活を送っていく話でして、この作品は構想全体の三分の一から半分程度の内容です。構想上では、作品のテーマは「過去(歴史)とどう向き合うか」です。


 では何故この時点で一応完結とするかなんですが、もっと細部を詰めないと、本来の構想全体を書き上げられないと、ここまで書いて痛感したからです。

 他にも、私の描写力に不満があるという点もあるのですが、やはり細部をもっと詰める必要があるというのが最大の理由です。


 この作品は、私が抱えているプロットの中でも、ライフワークと言えば大げさなのですが、必ず作品化(書籍化ではないです)、完全完結させたいモノの一つです。

 それなりに強い思い入れがあるので、尚更、現時点では続きを満足するものに書けそうもないのが嫌なのです。




 この作品で取り上げた歴史上の人物は、悲劇的な目に遭った方でもジャンヌ・ダルクやマリー・アントワネットのような誰もが知っているような人物ではなく、一般的にはさほど知名度の高くない人物(歴史に詳しい方なら知っているでしょう)を選びました。


 理由は、私自身の希望する人物像が入り込む隙が多いから。


 実在した人物であるか、その可能性の高い人物を取り上げ、この作品をきっかけに読者の皆さんが調べて独自の人物像を作り上げて貰えたら嬉しいという思いがありました。


 また、他の神話でも構わなかったのですが、ギリシャ神話の神々を取り上げたのは、私のへそ曲がりな性格故です。比較的知られている神話なので、読者さんには読者さんなりのギリシャ神話像があるでしょう。ですが、多少イメージを壊してみたいなという、そんな捻くれた思いがありました。


 神話というのは、それ自体がそもそも創作作品のようなものです。

 また、ギリシャ神話一つとっても、神々やイベントそれぞれ多くの解釈があります。


 歴史を取り上げるなら、神話を取り扱うなら~~はこうでなければならないという意見を、歴史や神話に対して持っている方はいるでしょう。

 その方はその考えに沿って創作していただければいいと思います。

 作家それぞれのスタンスで構わないと思っています。


 私自身は、創作上では、特にファンタジーではもっと自由でいいと考えています。


 作品内でいえば、クロノスは空間と農耕の神で、時間の神ではないという解釈もあります。

 しかし、それでは私にはつまらなかったし、不都合だった。

 ホーラーという時間の神(正確には四季の女神)が居るのだからそちらを利用すれば良いかもしれませんが、私にとって主人公の相棒は男神でなければならなかった。

 ですから、クロノスは時間と空間の神として登場させました。


 また、ウラノスとゼウスは神話では去勢されてますが、クロノスは去勢されていません。ですが作品内では、ウラノスークロノスーゼウス等絶対神'sは全員去勢されていることにしています。


 ベアトリーチェ・チェンチに関しても、父親との確執やDVの内容は裁判記録として残っている。DVはあったけれど、性的虐待までは疑わしいのが事実らしいです。


 ですが、それを調べて事情を知っているスタンダールでさえ、作品内では史実と異なった改変し、性的虐待もあった形で短編を創作しています。

 理由は、その方が作品が面白くなるからと残しています。


 スタンダールのような文豪と呼ばれる方もやってるのだから構わないだろうということではありません。文豪であれ、WEB作家であれ、創作する際のスタンスは人それぞれで構わないだろうといいたいだけです。


 そして私個人は、創作作品では、エンタメ性を高めるためには、史実だろうとさほど気にすることはないだろうというスタンスと明記しておきたいだけです。


 「作品内のリアルが成立しているならば、実際のリアルなど創作上では些末なこと」

 そういう気持ちを込めた側面もこの作品にはあります。


 ここで最初に戻るのですが、だからこそ作品内のリアルを成立させるために細部をもっと詰めておかなければならないと感じ、本来はまだまだ続く作品なのですが、ここで一旦完結しようと考え、決めました。



 以下は、過去から連れてくる予定だった、もしくは見物する予定だった史実上の人物の一部です。


・ジェーン・グレイとギルフォード・ダドリー

・マリー・デュプレシ

・シモネッタ・ヴェスプッチ

・王昭君

・ヒュパティア

・セイヤヌスの娘(アエリア)

・魔女裁判で処刑された方々


 見物に行く予定だった史実イベント(あくまでも作品内史実)には、モルガルテンの戦いやカリフ制成立の経緯などがあります。


 これらは、続編もしくは外伝的に書いてみたいなと思っています。

 もちろん、本作品に繋げて書くかもしれません。


 読者の方からの要望があれば(あったら感動して泣いちゃうかも)、充電期間短くして書いちゃうかもしれません(笑


 ですが、とりあえずは本作品は完結とさせていただきます。


 もう一度、


 拙作に付き合ってくださり、本当にありがとうございましたm(__)m







 2018/02/25 湯煙

 


 


 

 

 

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半神の趣味的日常 ~Liberation from history tragedy ~ 湯煙 @jackassbark

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