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月の
すぐに
「会ってみてどうでしたか?」
「気持ちに一区切りつきました」
「その割には嬉しそうではありませんね」
晴れ晴れとした表情の
「ええ、彼がもう恨んでいないと判ったことと、きちんと謝罪できたのは良かった。でも……」
「でも?」
「私の罪が消えるわけではありません」
「それはそうでしょうが、
「そうできればいいのかもしれません。ですが、まだ無理のようです」
そうかぁ、まあ、相手が許してくれても、はい、そうですかとはならないよな。
「いつか変われるといいですね」
「そうですね」と、少し悲しげな表情で
その後、現代世界の様子を話したり、最近俺に起きたことのうちゼウスに迷惑をかけられて困ってることなどを笑いながら話した。
――もし、ゼウスが月に遊びに来ても、これで
人としての器がとても小さいことを自覚しながら、それでも、このくらいはいいよなと思っていた。
二時間? いやもう少し話したかもしれない。
「ではそろそろ私達は
「ああ、楽しみに待っている」
微笑む
・・・・・
・・・
・
何かの動物の皮でできているような矢筒は、持ってみるととても軽い。
肩掛け紐まで付けてあり、持ち運びも楽だ。
「約束のものだ。まだ必要であれば作るぞ」
「ありがとうございます。必要になったら、お願いに参ります」
「いつでも来るがいい。なに、暇を持て余しているのだ。遠慮はいらぬぞ? ……
「
「会いたい気持ちはあるが、彼女は辛いだろうからな。もう会うことも無いだろう。だがそれでいいのだ」
畜生、ゼウスの悪口を
悔しいが、負けたと言わざるを得ない。
器の違いは、やはり元神と庶民の違いかなぁ……。
迷いのない毅然とした態度にジェラシーを感じる。
いつか近づければいいな。
「四凶と戦うとき、注意することはありますか?」
「気持ちが大事だ」
間髪入れずに答えが返ってきた。
「気持ちといいますと……戦意ですか?」
「ああ、そうだ。異様な姿に恐れを感じてはいけない。あれ等が放つ
「
「うむ、穢れだ。
「判りました。気持ちを強く持ち保つようにします」
「それとな、四凶は東西南北に封印されたが、出現するのは西側からだけだ。本当の理由は判らぬが、奴らにとって良い方角が西なのだろう」
これは良いことを聞いた。
C国は広い。
「それは良いことを教えていただきました。西を中心に捜索するとします」
「うむ、見事征伐し、また遊びに来い。黄泉のものを、お前達に食べさせることはできぬのが残念だがな」
「大丈夫です。今度来るときは、食べ物と飲み物持参で来ますから」
「楽しみにしておるぞ」
いつまでも俺達に手を振る
今度
……酒や肉をたくさん用意して戦勝報告に来るのだ。
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