水たまりのまえで こんにちは

作者 我那覇アキラ

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★★★ Excellent!!!

綺麗な絵に惹かれて、ふらりと立ち寄ったところ、一瞬で物語に引きずり込まれました。

ストーリーとしましては、『イジメ』をテーマにしてありますが、よくある話では終わりません。

それを可能にしているのが、この物語のメイン設定である時間軸のズレだと思いました。

今の自分と一年後の自分が水たまりを通じて交流することで互いの世界に影響を与え、その結果、よくある話から、斬新でかつ少し神秘的な話に昇華されてあります。

ミステリーでもありますので、当然謎解きもあり、サスペンスもあります。しかし、ひょっとしたら作者さまはそれさえも演出の一つにしていらっしゃるのかもしれません。

そう感じる理由は、中盤の胸を揺さぶる展開を前置きにし、終盤の泣ける話が本当の意味でのメインテーマかもしれないと思ったからです。

そのため、この作品のオススメポイントは、ミステリーとしてもサスペンスとしても面白く、その上で泣かされるという未知の体験ができることです。

素敵な作品と読書時間を本当にありがとうございました。

最近泣いてない方、この素敵な作品で思う存分泣いてみてください!!

万人向けの柔らかい文体で読みやすく、複雑そうに思える設定もすんなり頭に入りますので、ミステリーだからと構える必要はありません。普段ミステリーを読まない方でも安心して楽しめますよ!!

★★★ Excellent!!!

冒頭から「不思議」が水たまりの向こうから飛び出してきました。

ミステリーといえば、私などは探偵役が刑事なり探偵なりそういった役割の人物が捜査をし推理するといった、いわゆる推理小説、探偵小説が真っ先に思い浮かぶのですが、本作はまず説明が付かない現象が当たり前に起こっている。
しかし、読み進めていけば、この不思議もすぐに解消されます。それに、問題は別のところに潜んでいる。これは少女たちの戦いだ。

やはり、いじめ問題が本作のテーマになるのでしょうか。
いつの時代もなくならない「いじめ」。時代が進むにつれ、その陰湿さや残酷さは抜かりなく形を変えていますが、それらを丁寧に内容と絡められており、読んでいる途中なんか思わず息を止めてしまった程。
文体も優しく読みやすいので、思わず感情移入しやすくて。主人公を取り巻く人物たちも魅力的です。回を追うごとにタケオくんが本当頼りになります。
ラストまで目が離せなくなること間違いないです。

水たまりの向こうの世界とこちらの世界、随分とずれてしまったけれど救われたならいいなぁ。
読後もしっとりとしていて、雨雲が晴れたような気持ちになれると思います。

★★★ Excellent!!!

物語冒頭から不思議な現象が書かれていて、この不思議さが加速して事件解決に繋がるのかな? と思いきやその不思議は物語のスパイス的な要素のまま終始するという最高のサジ加減。

もしもその現象を軸にして丸投げしていたらそれはミステリではなく現代ファンタジー色の方が強くなっていたと思います。
そこいら辺の調整が本当に上手だな、と。

いじめ問題を絡めたお話なので、興味のある人は多いハズ。
誰しも一度は小学生から今までの間に(度合いは違うと思いますが)いじめには遭遇していると思います。
私も経験があるので、興味深く読み進めて行けました。

ただし、いじめ問題をどうすればよい等のメッセージは一行も含まれず、構成上必要だから取り入れた要素だと思えるので、あくまでミステリーとして楽しめます。

終わり方も綺麗で、いつまでも心に残ります。

★★ Very Good!!

 後半における怒涛の謎解き展開が良かったです。
 あと、詳しいことはネタバレになるので書きませんが、犯人の予想斜め上を行く犯行動機という展開のは僕は好きです。

★★★ Excellent!!!

古典的なファンタジー設定に現代に合った「いじめ」のテーマをのせ、最後まできっちりしっかり描かれていて読み応えもあり、面白かったです。

設定自体は「君の名は。」や、「時をかける少女」等挙げればキリがないほど使い古されたものですが、
それに「雨」を加える感性が好みでした。
一年前と一年後の自分。
そこに連続性はなくて、それぞれ独立した世界ということで、
未来を変えると一年後の自分のくれたアドバイスにズレが出たりと、
難易度が上がるというのも面白く思いました。
眠そうなタカオがだんだんイケメンに見えてきましたねw
また、主人公夢乃の成長も描かれているところがいいと思います。
作者の描かれた表紙絵も拝見しましたが、
最初私が設定から思い浮かべていたのは物悲しく佇むような後ろ姿だったのに対して、
この絵は睨みつけるような戦う意志の感じられる正面の構図。
しかし読み終わった今となってはこの決意の表情の理由が理解できます。

現代の「いじめ」がテーマであり、よく調べて上げて描かれているなと思いました。敵の設定、動機などもなるほどと妙に納得させられて良かったです。