水たまりのまえで こんにちは

作者 我那覇アキラ

110

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★★★ Excellent!!!

とある水たまりを通して一年後の自分と会話できる少女。久しぶりに会話した未来の自分から告げられたのは、身内の死であった。
少女はその未来を変えるために奮闘するーー

SF設定もありながら、見事な推理小説です。きちんと伏線もあり、犯人を当てられますので、考えながら読むのがオススメです。
内容はいじめも絡んでおり、色々と考えさせられました。
この作者様の別作品を読ませていただいていましたが文章が読みやすく、話も面白いのでこの作品も期待していましたが、例にも漏れずとても面白かったです。

ミステリ作品ってやっぱり面白いですよね、と改めて思わせてもらえる作品でした


とてもオススメです!

★★★ Excellent!!!

あらすじにもある通り、主人公は水たまりを通して出会える未来の自分から、姉の死を告げられる。

つまり、この物語はサスペンスでありながら、決定的な事件が起こる前にそれを食い止めようと主人公が奮闘するのだ。

事件が起こってしまったが故の後悔と、起こる前だからこその非現実感。
サスペンスものの醍醐味である推理要素や、大勢の容疑者たちによる不穏さ、不気味さ。

イジメという難しいテーマを見事に書ききった良作。
切なさを残しつつも『前を向こう』と思える、そんな穏やかな読了感があなたを待っていますよ。

★★★ Excellent!!!

水たまりを通した、未来の自分との会話―――そして告げられる姉の死。

それを阻止するため、現在と未来、ふたりの妹が奔走する。
姉のクラス内に渦巻く「いじめ」の正体を追いながら。

「いじめ」。特定の人物を標的にした、多対一の嫌がらせ。
対象は流動的で、加害者と被害者が容易に入れ替わる。
集団化した人間の持つ圧力、恐怖の大きさと、その中で封殺される儚き個。

当事者目線の物語が描き出す、コントロール不能な集団という怪物。
そして怪物の血脈に流れる「人間の哀しさ」。

作者は怪物を解体しつつ、血を浄化する。
これぞ我那覇節。感動の一作です!

★★★ Excellent!!!

読了後のレビューです。

誰もが目にする水たまり。
何処にでもある水たまり。

水たまりの奥にある世界を、誰もが想像したことがあると思うのですが、不思議な空気感から始まる物語は、ミステリーの匂いを漂わせながらある闇を照らしていきます。

読み進めていくうちに、主人公を応援したくなる。
主人公を待つ展開に一喜一憂し、物語を追いかけた先にある
切なくも幸せになれる結末。

読後感が素敵な物語でした。
幸せをありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

いじめによって自殺したとされている中学生の姉。
同じく中学生の妹・夢乃(ゆめるん)は、道路にできた水たまりに映る一年後の自分(ゆめりん)から、その未来を知り、現在はまだ生きている姉を死の運命から救おうと、二人の夢乃で知恵を絞り、奔走する。

運命は、変えることが出来るのか——!?
事件は、解決することが出来るのか——!?

自分の身内や友人等、大切な人が死ぬと予測できなかったとしても、一年後に自殺してしまうことを知っていたとしたら、全力で止めようとするでしょう。

生きる力を失って自分だけではどうしようもなくなった人を救えるのは、その人を大切に思う周囲の人々の心なのだろう。
この物語を読んで、つくづくそう思いました。

人として何が出来るか、またそれをしたことによって未来がどう変わっていくのか、悪影響もあるのかも知れない等、心配し、迷い、悩みながらも、今自分が出来ることをしていく。
ハラハラドキドキなサスペンス物だけに終わらない、中学生主人公の等身大で飾らないリアルな心理描写に感嘆しながら、背景を含む目に浮かんでくる描写とともに、とても興味深く読み進められました。

大切な人を、どうしても救いたい。
救うには、どうしたらいい?

姉を想いながら、強い意志で行動する夢乃たち。この子たちが、重いテーマに明るい未来を見出してくれます。
今現在、いじめが身近にない場合でもこの物語を一読しておいてもらいたい、読んで良かった、知って良かったと思える作品です。
是非、多くの人の目に触れて欲しいです。

★★★ Excellent!!!

「水たまりを通して一年後の自分と会話できる」という不思議な設定にまず心を惹かれました。
その設定を活かしながら、姿を現さずに姉を追い詰めた犯人を探すという過程がまた興味深く、夢中で読み進めることができました。
全ての問題が解決したわけではなかったり、取り返しがつかないほどの切なさが残りますが、後味は決して悪くなく、むしろ心が暖かくなります。

★★★ Excellent!!!

この物語は、序盤から読者を惹きつける魅力が詰まっています。
キーワードはタイトルにもあります、水たまり。そこである人物と繋がります。そこで知ってしまう、姉の死。
そんな姉の死を防ぐために、そして調べ上げていくにつれ分かってくる壮絶ないじめの現状。

犯人を探すための、かなりの調査とすごい情報量が描かれています。それらの繋がりに違和感はなく、非常にうまく動悸や経緯が繋がります。とてもすっきりする。
サスペンスミステリー好きにはたまらない作品だと思います。
そして犯人が分かった後の話の展開がとても好きです。感動します。

みなさんも一緒に犯人を捜してみてください。最後まで気が抜けず、大変おもしろい作品となっております。

★★★ Excellent!!!

水たまり。それは現世と異界をつなぐ鏡のようなもの。未来の自分と水鏡を通して出会った主人公は、姉の死という事実を突きつけられ、回避のために動き始める――。という冒頭から、物語が動き始める。

調査で見えてきたのは、現代ならではのクラスいじめ問題。いじめやクラスカーストを用いた小説は大量に生産されているが、題材的に、どうしても鬱展開のものが多い。

本作では、陰惨な描写や読者の不快・怒りを誘う描写は、少なめに押さえられている。そのため読んでいて鬱に追い込まれることがない。純粋に「姉やクラスのいじめ蔓延の背後にいる黒幕は誰か」というミステリ的興味のみで読み進められる、さらっとした手触りが美点。

こうした特質もあり、クライマックスからエピローグに到る流れがきれいで、読後感はなかなか爽快だ。

★★★ Excellent!!!

読了いたしました。まず、応援のコメントすら入れられないほどの、超速で物語を追ってしまったこの物語の持つスピード感と、サスペンスの雰囲気についてだけでも、★★★三つで間違いがないです。読ませます。そのくらい面白かったので、全力レビュー致します。

水たまりという普段何でもない「境界線」を通じて、いじめで自殺した姉の真相を探ろうとする主人公たち。
「どうしてこんなことになったのかな」彼女たちは懸命に謎を追い、そして解決しようとします。

そこにあるのは、通常の謎解きとは違う。クラスの女子カースト制度、いじめ、サクリファイス精神を逆手にとるような、苛めの実態。根底には「誰も苛めたくないんだよ」という全員の想いがあり、苛めは「当番制」のように「監理」されていく子供ならではの残虐な社会でした。
大人になるにつれて、あらゆる世界を知り、あらゆるヒューマニズムに触れて、解決方法も、処世術も手にしていけるわけですが、経験から言いますと、子供の世界は、「親」と「他人」の恐怖から逃れられません。
このお話に出て来るのは、「他人」ですが、奇妙なサバイバルになっています。

苛めは誰かが引き受けなきゃ、と言わんばかりの誘導がなされていく。自分に降りかからないように、誰かを苛めのターゲットとして。

主人公達は、主犯格グループにアタリをつけていきますが、悉く真実は奇なり。SNSの闇や、子供にしか見えないコミュニティ。かつての苛め事件を彷彿とさせるような苛めコミュニティなどが明確になっていき――

真犯人は誰なのか。
みずたまりの前で打合せする主人公たちは謎を導けるのか
苛めとは何か、苛めはなくなるのか。

時空を利用し、死刑宣告の苛めサバイバルを背景に、描かれているものこそ、苛めの根幹かも知れません。

こんな物語を世の中に出せたなら、この物語の導くラストも現実になるかも知れません。苛めはなぜ、な… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

――引きこもりの姉が、10日後に自殺する。
水たまり越しの「1年後の自分」に告げられた夢乃は、姉の死を未然に防ぐべく奔走します。
誰が味方で誰が敵か。最後まではらはらし通しでした。
現代社会の問題でもある「いじめ」にも突っ込んだ物語です。
ごめんなさい。私の出来の悪い頭では、上手なレビューが書けません。
読んで損はありません。いや、読んで良かったと思える作品です。

★★★ Excellent!!!

未来で起きる姉の死を防ぐために主人公が行動を起こすところから物語は始まります。もう一つの世界で起きた事件に予言された死を止めるために行動をするという設定が斬新だと思いました。水たまりの向こうにあるパラレルワールド的な不思議な世界観。二人の「私」。姉の死。いくつもの謎を提示しながら物語は幕を開けます。

不思議な世界観ながら物語は実に現代的で、ネットやSNSを使ったいじめの描写などには寒気がするほどです。主人公たちの調査が進むことで人間関係が明らかになっていき、それにつれて謎が深まっていきます。そして姉の死のタイムリミットが迫り、緊迫感のある物語が展開されていきます。

いじめという重いテーマでありながら独特の設定と緻密に構成された物語によってミステリー小説として楽しめます。終盤の展開には涙を禁じえません。悲しいですが、感動します。

あなたも水たまりに起きた奇跡をご覧になってはいかがでしょうか。

★★ Very Good!!

水たまりの向こうには1年後の自分。
姉の死という残酷な未来を変えるため、夢乃はいじめの犯人を探すことに。

怪しい人がたくさん出てきて惑わされます。特にあの人がああなるのは予想外でした……。

まさかこの人が……。いや、この人の可能性も……。
そんなドキドキを体験しながらも、スラスラと読めてしまうものだからたちが悪い(誉め言葉)

もう1ページ、あと1ページと読み進めて、気づけばクライマックスに!

ちなみに私は半分くらいでこの人かなーと予想して、しかも当たってました。嬉しい!

最後に一つだけ、どうしても言いたいことが……。
いつもはやる気なさそうなのにいざとなると頼りになる系キャラ、タカオくんの活躍にも注目してみてください!

★★★ Excellent!!!

お姉ちゃんどうなるの!? と最初からぐわっと掴まれ、作者様の書く物語世界の強度は強い、と思いながら拝読していました。
水たまりの向こうに一年後の自分がいるという、一つ間違えば荒唐無稽になりかねない出来事がこのお作の中では現実であり、「そういう設定なんだ」と自分に負荷を与える必要なく物語に浸れました。
どうしてそれが可能なのか、全くもって僕には分からないのですけれども、気がつけば強度の強い物語世界に僕ものめり込み、中盤からはラストまで一気読みです。
登場人物の顔が一人一人見えるようで、驚きと喜びのあるストーリーがテンポよく展開され、抜群に面白かったです。

それにしても……今の若い方も大変だな、と感じるのは本作の展開がリアルである証拠だと思います。

★★★ Excellent!!!

水たまりを利用して、時空の歪みを矯正する設定が何よりもユニークだなと感じました。テーマは「いじめ」。デリケートな内容にミステリーを絡めた作品ですが、各キャストの深層心理や本能が上手く描写されていて、気が付けば「キリよく」なんて考えも飛ばしてくれるほどの面白さがあります。上質なドラマか映画を見た気分♪

ラストは感動です☆

★★★ Excellent!!!

ここまで読んで、先が読みたくてたまらない作品の一つにあげられる。

メッセージ性もそうだが、スリルがあったり、エンターテインメントも十分に盛り込んである。

心理的には、私は、重く受け止めている。

是非、ご一読なさることをおすすめいたします。

★★★ Excellent!!!

夢乃には秘密があった。それは梅雨のある時期だけ、水たまりを通して、一年後の自分と会話ができるということ。

その一年後の自分が夢乃に教えてくれたのは、家に引きこもっている姉がもうすぐ自殺してしまうという未来の事実。

不幸な出来事で姉を失った一年後の自分「ゆめりん」と、引きこもりの姉が直面する現実と危機に気づいた夢乃こと「ゆめるん」

姉を助けるための、二人の戦いが、今始まる。




次々に現れる、謎。
思いがけない、協力者。
次第に明らかになっていく、驚愕の事実。

一度読み始めると、もう止まらなくなること請け合いです。

テーマは「いじめ」というとても重いものですし、大切な人の死、それを取り巻く人たちの後悔、周りの無自覚な悪意、不信感、猜疑心……この作品を彩るのは人間の負の部分です。

けれど、それよりも強く印象に残るのが、大切な人を守りたいという心、悪いことをしてしまった謝りたいという純粋な気持ち、そういう人間の正の部分。

だからでしょうか。テーマは重いのに、読後感はとても爽やかでした。
それはまるで、鬱屈した梅雨が終わったあとの、初夏の雨上がりのようで。

★★★ Excellent!!!

一年後の自分と会話できる不思議な水たまり、それを通じて知らされる「自分の姉が死ぬ」という驚愕の未来。その未来をなんとしても阻止しようと奮闘する少女・夢乃の話です。

この話は学校内に蔓延る「いじめ」を軸に展開していきます。くるくると入れ替わる加害者と被害者、学校の裏サイト……どこの学校にでも一つや二つはありそうな話で、読者の共感を誘います。

個人的には気になったのは最後の最後、オーラスのある人物の告白です。この人物のやったことは紛れもなく犯罪ですが、それを実行した動機については十分に情状酌量の余地を感じさせます。

自分も「いじめ」を受けたことがあるだけに、この人の気持ちもなんとなくわかる気がしてしまったのです。いじめを真になくそうと思うなら。そうでもしないと、と思い詰めてしまったこの人の気持ちは確かによくわかる。この文章で表されるその後の学校の状況も皮肉です。

>いじめをしようとしている誰かを、結局全員でいじめているだけなんだ。

いじめについて改めて考えさせられる良作です。

★★★ Excellent!!!

この作品には二人の探偵がいる。
主人公の夢乃、そしてもう一人の夢乃。
二人は同一の人物だけど、もう一人の夢乃は実は一年後の自分。
二人が出会えるのはある特定の水たまりを通してつながった世界でだけ。
この設定だけでも、非常に興味をそそるのですが、ストーリ冒頭で語られるのはさらに衝撃的な事実。
水たまりの中の夢乃(ゆめりん)の世界では、姉の忍が事故で亡くなってしまっていたということだった。

ゆめりんの話が本当ならば、数日後に夢乃の姉は死んでしまう。
現在の夢乃は水たまりの世界のゆめりんの力を借り、忍を救うべく奔走する。

この二人の探偵の存在がこの作品のおおきな特徴でありまた魅力でもある。二人が力を合わせることで、現実の世界の真実と一年後のもうひとつの未来の世界の真実。ふたつの世界で複雑に絡み合う真実が少しずつ紐解かれていくのだ。
じつに多くの謎がちりばめられ、次々と浮かんでは消えていく犯人像。
そして一つの真実にたどり着いたとき、そこに現れたのは……
この答えはぜひ読んで確かめてください。

いじめ、という重いテーマをあえて中心に据えた作品ですが、決してどす黒い雰囲気はなく、純粋に謎解きや主人公夢乃たちの活躍をはらはらとした気持ちで読み進められ、ミステリー好きでなくとも十分に楽しめる内容です。
また、現代社会をとりまく環境や人との繋がり、そして「ネット社会の危うさ」がこの作品では実にリアルに描かれていて、それもまたこの作品を読むうえでの重要なカギになっていると感じます。

いじめに真っ向から立ち向かう夢乃たちの活躍。
ぜひご一読を!

★★★ Excellent!!!

「これ」が何を指すのかは、読んだ方それぞれでの思いで満たされるはずです。

テーマは、いじめですが、
話しの流れは犯人探しのミステリー要素と、
特定の条件で現れる水たまりを通して出会う、
一年後の自分自身から得る情報をヒントを元に、タカオと言う優秀な助手を得て、
今ある未来を変えようとする、夢乃(ゆめるん)の物語です。

実を言いますと、ネガティブやナーバスな物語は苦手なのですが、
拝読するにしたがい、いじめがメインテーマでありながら、
引き込まれる内容と、水たまりシステム。
犯人へのミスリード。加害者の目的。
何より、夢乃が姉への思いの変化。
始まりから終わりへ向かう揺るぎない筋道。
全てが魅力的で、読了するまで他の用事が出来なかったくらいでした。

ミステリーは、どの時点で犯人やトリックが分かってしまっても
読了(鑑賞)させる底力を問われる物だと考えています。
どこでバレてしまっても、何度読み返されても面白い作品を目指されたのだと確信してしまう程です。

『水たまりのまえで こんにちは』は、それがあると感じました。

失礼な事を申し上げているのは、重々承知しておりますが、
私は、この作品に出会い、それくらい興奮し衝撃を受けました。
素人のたわごとと、お許し頂けるなら幸いです。
本当に、申し訳ありません。

最後の最後は、作者様の手の内で、泣かされました。

最後まで、『水たまりの前で こんにちは』に魅了されました。
素晴らしい物語を、ありがとうございました。







★★★ Excellent!!!

梅雨時期に現れる不思議な水たまり。
その向こう側には、1年先の世界を生きるもう一人の自分がいて……。

主人公はもう一人の自分から、衝撃的な事実を知らされ、姉を救うために立ち上がります。

虐め、SNS、裏サイト、姉を自殺に追い込んだその首謀者は……。

とても重いテーマではありますが、それに立ち向かう主人公の姿に、胸を打たれます。

一人では解決出来ない虐めの問題。
でも、一人が立ち上がることで、みんなの意識が少しでも変化していくのなら、失う命は守られ、未来は変わるかもしれません。

★★★ Excellent!!!

綺麗な絵に惹かれて、ふらりと立ち寄ったところ、一瞬で物語に引きずり込まれました。

ストーリーとしましては、『イジメ』をテーマにしてありますが、よくある話では終わりません。

それを可能にしているのが、この物語のメイン設定である時間軸のズレだと思いました。

今の自分と一年後の自分が水たまりを通じて交流することで互いの世界に影響を与え、その結果、よくある話から、斬新でかつ少し神秘的な話に昇華されてあります。

ミステリーでもありますので、当然謎解きもあり、サスペンスもあります。しかし、ひょっとしたら作者さまはそれさえも演出の一つにしていらっしゃるのかもしれません。

そう感じる理由は、中盤の胸を揺さぶる展開を前置きにし、終盤の泣ける話が本当の意味でのメインテーマかもしれないと思ったからです。

そのため、この作品のオススメポイントは、ミステリーとしてもサスペンスとしても面白く、その上で泣かされるという未知の体験ができることです。

素敵な作品と読書時間を本当にありがとうございました。

最近泣いてない方、この素敵な作品で思う存分泣いてみてください!!

万人向けの柔らかい文体で読みやすく、複雑そうに思える設定もすんなり頭に入りますので、ミステリーだからと構える必要はありません。普段ミステリーを読まない方でも安心して楽しめますよ!!

★★★ Excellent!!!

冒頭から「不思議」が水たまりの向こうから飛び出してきました。

ミステリーといえば、私などは探偵役が刑事なり探偵なりそういった役割の人物が捜査をし推理するといった、いわゆる推理小説、探偵小説が真っ先に思い浮かぶのですが、本作はまず説明が付かない現象が当たり前に起こっている。
しかし、読み進めていけば、この不思議もすぐに解消されます。それに、問題は別のところに潜んでいる。これは少女たちの戦いだ。

やはり、いじめ問題が本作のテーマになるのでしょうか。
いつの時代もなくならない「いじめ」。時代が進むにつれ、その陰湿さや残酷さは抜かりなく形を変えていますが、それらを丁寧に内容と絡められており、読んでいる途中なんか思わず息を止めてしまった程。
文体も優しく読みやすいので、思わず感情移入しやすくて。主人公を取り巻く人物たちも魅力的です。回を追うごとにタケオくんが本当頼りになります。
ラストまで目が離せなくなること間違いないです。

水たまりの向こうの世界とこちらの世界、随分とずれてしまったけれど救われたならいいなぁ。
読後もしっとりとしていて、雨雲が晴れたような気持ちになれると思います。

★★★ Excellent!!!

物語冒頭から不思議な現象が書かれていて、この不思議さが加速して事件解決に繋がるのかな? と思いきやその不思議は物語のスパイス的な要素のまま終始するという最高のサジ加減。

もしもその現象を軸にして丸投げしていたらそれはミステリではなく現代ファンタジー色の方が強くなっていたと思います。
そこいら辺の調整が本当に上手だな、と。

いじめ問題を絡めたお話なので、興味のある人は多いハズ。
誰しも一度は小学生から今までの間に(度合いは違うと思いますが)いじめには遭遇していると思います。
私も経験があるので、興味深く読み進めて行けました。

ただし、いじめ問題をどうすればよい等のメッセージは一行も含まれず、
あくまでもミステリーとして楽しめます。

終わり方も綺麗で、いつまでも心に残る作品でした。

★★★ Excellent!!!

古典的なファンタジー設定に現代に合った「いじめ」のテーマをのせ、最後まできっちりしっかり描かれていて読み応えもあり、面白かったです。

設定自体は「君の名は。」や、「時をかける少女」等挙げればキリがないほど使い古されたものですが、
それに「雨」を加える感性が好みでした。
一年前と一年後の自分。
そこに連続性はなくて、それぞれ独立した世界ということで、
未来を変えると一年後の自分のくれたアドバイスにズレが出たりと、
難易度が上がるというのも面白く思いました。
眠そうなタカオがだんだんイケメンに見えてきましたねw
また、主人公夢乃の成長も描かれているところがいいと思います。
作者の描かれた表紙絵も拝見しましたが、
最初私が設定から思い浮かべていたのは物悲しく佇むような後ろ姿だったのに対して、
この絵は睨みつけるような戦う意志の感じられる正面の構図。
しかし読み終わった今となってはこの決意の表情の理由が理解できます。

現代の「いじめ」がテーマであり、よく調べて上げて描かれているなと思いました。敵の設定、動機などもなるほどと妙に納得させられて良かったです。