伍
社の
「恐らくこれが取れるのは三日後。
次の満月の日だろう。
あいつを殺すにはとっておきの日だ。
知ってるだろう?昔から人狼とかってのは満月になると力が増すんだ。ふふ、楽しみだ。
どうやってあいつを殺してやろうか。」
背筋が凍るほどに綺麗な瞳をしていた。
それと同時にただならぬ殺気を感じ、漆も次の満月に起こる戦いを覚悟した。
「それで場所は何処なんですか。
民家の近くで戦われたらこちらも困ります。貴方達が出した被害を覚えていないんですか?あの一帯、今でも木が生えなくて野原なんですよ」
桐が質問を投げかける。
「当たり前だ。こっちには被害を出さない。
ヤツは恐らく山の中でコソコソ味方でも増やしてるんだろう。得意な洗脳を使ってな。
──そこを奇襲する。
ここに来られても邪魔なだけだ。
俺の死に場所はここだ?冗談じゃない。
死に場所なんざ自分で決める。」
漆が呆れた声を上げる。
「心配して損した。だがこれなら大丈夫そうだ。」
「あ?お前の心配なんて要らないね。」
つっけんどんな口調で真神が言う。
「昔の
からからと桐が笑う。
バツが悪そうな顔をして真神は「しっしっ」と払うように漆を追い出した。
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