墓守女子の生き方や現象
第39話 少女は身体を検査する。
今日、私はお聖人さんの元へ辿り着いた後、私の身体の中の様子をカメラで確認して、検査する事にした。
私の身体は死なないが、定期的に検査している。
勿論、癌細胞は生きれないが、仮死状態という魂と肉体の不適合を避ける為に検査をする事で結合ぶりを確認する為だ。
身体は不死でも魂はこの身体に残るわけではない…。
違う魂を受け入れたら別人になってしまう。
だから、この身体が私の物とは一切、思わなかった…。
「絵里奈ちゃん。アンタの直腸は相変わらず、凄く強い免疫力と綺麗な肉壁をしていて俺は凄く嬉しいな。」
「お聖人さん。私の身体が凄く綺麗な様子を見てどうして嬉しくなるの?」
私の身体が綺麗な様子だと感じたお聖人さんが喜んでいる。
けど、私の身体はどうしてそんなに凄く大事にされるのか分からなかった。
「いいな。絵里奈ちゃん。貴様のお腹の中で男性の遺体を消化させて、肉は便の排出や卵子に変更させる要素を持っているんだ。」
「ふ~ん。で、それがどうして私の身体の中で行われているのかよくわからないんだけど?」
私の身体の中でどうしてそこまで確認しなければならないのか良く解らなかった。
確かに私は墓守女子になってから女子高生の姿を保ったまま、死なない身体になっている。
それは私にとって非常に嬉しかった反面、少し怖いと感じる事も多々あった。
私は皆が死んでいく様をずっと見なければならないし、肉体は不死でも魂が何時までもこの身体を占有権を持っている訳じゃない。
だから、別の身体に変えられる可能性もあると私は感じた。
その反面、私や彩海などの墓守女子はいくら飛び降り自殺しても軽い傷で治るし、身体が治癒力も非常に高いので、皆からそれで自慢される。
特に私の骨細胞は明らかに他の人より密度が高く、かなり硬く感じる。
それは私の身体が死を失った身体になった所為か、心臓や小腸、大腸もそれを感じ取るのは偶然じゃないと思った。
けど、私の魂はいつまでも私の身体を持ち主じゃない…。
身体と魂は別の生き方をするのが墓守女子だと思うと少し怖く感じた。
「絵里奈ちゃん。アンタの胃袋を確認したよ。アンタの胃袋で亡くなった男性の肉体は消化され、骨になった後は保管腸という腸でお墓代わりになっている。」
「えぇ、そうなると私はそのおじさんたちの肉を吸収して生命力を強化している事になるのね。」
「その通りだ。」
「で、胃袋で消化された肉体は私の便や卵子になるのはどうしてなの?」
私は消化された肉体が便や卵子になる理由が良く解らなかった。
つまり、皆が年老いて死んでも私や彩海などの墓守女子は死ぬ事も自殺する権利すらない。
あっても、魂と肉体の離反で肉体の方は新しい魂と契約する事でいつまでも生き続ける。
だから、私は墓守女子の件で凄く悩みなながら、お聖人さんに墓守女子の詳しい内容を話そうと思った。
「お聖人さん!!」
「絵里奈ちゃん。凄く悩んでいる顔しているな。」
「うん、私を始めとした墓守女子は現世の苦しみもずっと味わう事になるのも宿命かな…、って思った。」
「あぁ、墓守女子は100歳超えても女子高生のまま元気で生きている女の子もいるからな。」
「えっ。それって、若い状態で100歳も生きている事ですか?」
「その通りだ。100歳超えても女子高生の身体を維持し、肌も凄くピチピチな墓守女子を俺は何度も見ているかな。決して珍しい事じゃないよ。」
「へぇ~。何か、私もそうなりそうな気がして嬉しく中で怖く感じちゃうね。」
「それが人間の本能だと思う。だが、死がこないのはお前の身体が神聖な身体だと受け入れれば良い。」
「うん、ありがとうね。お聖人さん。」
「けど、魂と肉体はいつまでも同じじゃない事は気づいた方が良い。この身体はお前の身体であってお前のではない。新しい魂がお前の肉体と契約したらお前はこの身体に戻れないと覚悟した方が良いぞ。」
「うん、分かったよ。ありがとう。」
私はこうしてお聖人さんとくだらない話をしながらも朽ちる事が出来ない身体を大事にしようと感じた。
私の身体は不死身でも、魂と体はずっとこの身体にいる訳じゃない…。
だからこそ、こんな身体でも私の役立つ能力はいくらでもあると私は思ったから絶対に大事にしなければと思うと、何だかワクワクしながらも少し不安もあった。
所に私の身体と魂が一緒にある限りは有意義に過ごそうと感じた。
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