第37話 少女はペリメニを頂く。家で作成編。

 檀家だんかさんで作ったペリメニ餃子ぎょうざが非常に美味しかったので私もこれから直紀さんの元でペリメニ餃子ぎょうざの作成の方法を教えようと思った。


「直紀さん。」


「おぉ、絵里奈えりなちゃん。」


 直紀さんが凄く美味しい料理を作ろうとする姿勢は安心出来ると思いながら、これから私は彼のもとで料理を作ろうと思った。


「その前に絵里奈えりなちゃん。お腹を出してくれないかな。」


「どういう事?直紀さん。」


「それはアンタのお腹の中の死者を少し供養しようと思って、俺はアンタを少し楽にさせようと思ってな。」


「うん、ありがとう。直紀さん。」


 私の身体で遊ばれるのは非常に嫌だけど、それでも私のお腹の中には無数の魂が宿っており、それが成仏できない状況には流石に私も怖いと思ったのでお腹を出して成仏する準備を整えた。


「直紀さん。私の顔を隠して、お腹を出すけど、これは新たな葬式仏教になるのかな?」


「あぁ、既に墓守女子の身体を使ってお経を鳴らして例を成仏じょうぶつする光景が既に定例化し始めたからな。」


「ふ~ん。そうなんだ。」


 私だけでなく墓守女子の身体で葬式を行うのは火葬や土葬が廃れ、体内葬する事で死者を成仏させる形式が作れ、更に私には死や老いが来なくなると思うなら、私には凄く死を奪われた状況で生かされる恐怖を感じ取ってしまった。


 私の身体から死、腐敗、老い、閉経等を奪われ、永遠に生かされる身体はある意味、墓守女子を神格化させ、神聖なものに変える女人禁制からの転換点だとつくづく感じていた。


 そして、それが最初に出来たのは女性でも成仏できる日蓮宗なのは間違いないと思った。

 だからこそ、女性でも成仏できるからこそ、墓守女子が出来た要因だとつくづく感じた。


「まず、皮の材料は強力粉が300g、水が3/4カップ、塩が小さじ1/2、溶き卵1/2個、打ち粉が適量、バターが大匙1だ。」


「うん、分かった。そして具は合い挽き肉200gって肉を型ませない為でしょ。」


「その通りだ。それで玉葱たまねぎ1個、大蒜にんにく1片、塩コショウがそれぞれ少々と殆ど、餃子ぎょうざと同じだ。」


「ふ~ん。そうなんだ。」


「そして、具・牛ひき肉の炒め物として牛ひき肉が150g、玉葱たまねぎが1/4個、そして塩コショウ、更にサラダ油はそれぞれ少しづつ入れれば良いとだけだ。」


 なる程、これは多そうに見えるが、殆ど同じような材料を使うのが重要なんだね。

 これならある程度、材料さえそろえば簡単にペリメニ餃子ぎょうざが作れるわけだね。

 うん、ありがとう。


「では、まずは皮から作るぞ。」


「了解。」


 まず、ボウルに水、溶き卵、塩を入れて混ぜ合わせる。

 それから強力粉を加え、ゴムベラで良くかき混ぜたら、30分間寝かせるんだね。


「で、絵里奈えりなちゃん。ペリメニ餃子の生地は実はホームベーカリーでも作れるんだよ。」


「どういう事?」


「皮の場合、パンの材料からイーストを抜けば殆ど手順が同じになるんだ。」


「そうなんだ~。ありがとう。直紀さん。」


「勿論、皮を作る際には打ち込以外をホームベーカリー入れれば簡単に調理できるぞ。」


「了解。」


 私はこれで30分間、皮を寝かせている間に次の作業に移行した。


「次は具でまずは玉葱たまねぎ大蒜にんにくをみじん切りしよう。」


「了解。」


玉葱たまねぎ大蒜にんにくも押すように切れば成分が出ないから目を傷めずに済むぞ。」


「ありがとう。」


 私はそういいながら玉葱たまねぎ大蒜にんにくをみじん切りにした。

 そして、玉葱たまねぎ大蒜にんにくをボウルに入れて擦りおろし、サラも合い挽き肉、塩、コショウ、玉葱たまねぎ大蒜にんにくを入れてかき混ぜた。


「それから本来は水を入れるが、今回はヨーグルトのホエーと白ワインを混ぜて入れよう。」


「どういう事?」


「ヨーグルトのホエーと白ワインを混ぜると殺菌効果を得られるんだ。」


「へぇ~。」


「欧州ではワインは水代わりになるのも殺菌の影響があるんだよ。」


「なる程~。それはそれで良い話を聞いちゃったな。」


 私は白ワインとホエーが殺菌代わりになる話を聞きながら、それらを練り合わせた後、暫く冷ます事にした。

 それから記事を寝かせながら具の調理をしながら30分が経って…、


「よし、記事を打ちこして細長い棒状に伸ばしたものを60等分するぞ。」


「了解。でも、普段は冷凍する為に3日分は作っているのは本当なの?」


「あぁ、本当だ。冷凍保存すれば一週間位は持つからな。だから、120個も作って持たせようとしているんだ。」


「そうなんだ。」


 流石に私だけではきついので直紀さんとの協力でまずは半分に切って30等分する作業を行った。

 そして、手で軽く潰した後、麺棒で直径5cm位、薄く丸く記事を伸ばした。


 それから記事に具をのせて半月型にしっかり閉じて、そうしたら両端をくっつけて帽子型にした。


「出来たね。絵里奈えりなちゃん。」


「うん。」


「後は塩を加えてお湯をペリメニ餃子ぎょうざにいれ、パターを加える。時間が経ちペリメニが浮いたら笊でお湯を良く切ってくれ。」


「了解。」


 それからペリメニ餃子ぎょうざお湯で調理された後、、ペリメニが浮いてきたら、器に盛った。

**********

「これで出来たけど、大丈夫なの?」


「あぁ、大丈夫さ。後は、スメタナ、即ちサワークリームを掛けて、好みの野菜を入れれば良いが、今回はキャベツとエリンギだけで十分だ。」


 私はキャベツとエリンギだけを入れてこれからペリメニ餃子ぎょうざを食事する事にした。


「おぉ、何という。シベリアの味がするんだ。」


「この味を食べたくなるな。」


 私と直紀さんはこれからペリメニ餃子ぎょうざを1つ、口に頬張った。


 すると…、


「凄い。コクのある味なのにあっさり感があるとは私はこんなに素晴らしい餃子ぎょうざを味わった事がない。」


「凄い。中国の餃子ぎょうざに比べて薄味を極めて何度でも食べたくなるぞ。」


「具は確かに日本の餃子ぎょうざより少ないけど、これはこれで非常に美味しいかも…。」


 あぁ、シベリアの味が何処となくし、コクが強いながら薄味の良さを生かして凄く美味しさを感じ取る事が出来た。


「直紀さん。」


絵里奈えりなちゃん。」


「これからもペリメニ餃子ぎょうざ作ろうね。」


「あぁ…。」


 私と直紀さんはこれからもペリメニを作ろうと思った。


 こんな美味しい餃子ぎょうざが私のお腹の中で保管されていたら私のお腹の中にいる死者も喜ぶかなと思った。


 あぁ、色んな饺子ジァオズィを食べたい。

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