墓守女子の体内食堂。

第14話 少女の腸内で寝泊まりする。前編。

　今日、私の身体は日露交流協会のお偉いさんが、体内ホテルで2日間の寝泊まりする事から私の腸内ホテルの部屋を借りる事になった。

　私の腸内は消化器官のとしての役割とお墓やレストラン、宿泊施設の役割を持つ腸が2つずつある。

　宿泊施設の数は少ないが、日露交流協会では私の腸内部屋や宿泊施設の役割を持ち、腸内ではレストランで直紀さんの料理を作りながら披露宴を行うそうだ。

　因みにトイレする際には私の体外に出てからトイレに行くようにされているようですが、体内ホテルの出口に関しては私からすると凄く恥ずかしいので言えません。

　そんな訳で今日、私の体内は日露交流協会の人間が宴会を楽しみながら、私は少し、お腹の中で彼らが楽しんでいると感じながら、ロシア語やペルシア語、医学の勉強をしていた。

**********

　俺は今日、日露交流協会の宴会でロシア料理である『ボルシチ』、『ビーフストロガノフ』、『鳥のミルク』、『ペリメニ』等を作る事になって、非常に忙しい日だ。

　何故なら、俺は日露交流協会の時は本格的なロシア料理を作らないと彼らに怒られる可能性が十分にあるだけでなく、信用を失って日露交流協会から信用を無くす可能性が大いにあるからだ。

　当然、俺は絵里奈の弟である柚弦と絵里奈の男友達である冬彦に依頼されてロシア料理を作っているのだ。

「よし、ロシア料理は進んでいるか。冬彦君。」

「おぉ、直紀さんのロシア料理店『ノヴァ－ヤ』で修業してきたから凄く良いロシア料理が進められそうだな。」

「あぁ、それだけでなく俺は今日、創作ロシア料理を作ろうと思う。それに手伝えるか?」

「勿論。今日の俺は凄く冴えているぞ。」

　日露交流協会の宴会のみならず、多くの記者が集まっている為、下手な事が出来ないと感じた俺達は創作ロシア料理を調理に移行していた。名は鰤風ベラビーフストロガノフだ。

　ビーフとはロシア語でБеф（ベフ）をもじった意味で意味は何とか(～風)の意味だ。

　なので、必ずしも牛肉を使う必要がなく、鶏肉でも鮭、鰤でも充分な訳だ。

　特にやるのが鰤を使った魚介ビーフストロガノフだ。名は『Желтохвость（ジェルトフヴォスチ） Беф （ベフ）Строганов（ストロガノフ）. (鰤のビーフストロガノフ)』と呼ぶな。

「鰤の油を使いながらもバターや油を控えめに使用した白いストロガノフを作って新しい料理の可能性を作ろうではないか。」

「そうだな。直紀さん。全く新しいビーフストロガノフを使って鰤料理を完成させるぞ。」

「よし、やろうではないか。」

　俺は鰤のビーフストロガノフを調理しようと考えたせいか、これから寒鰤のビーフストロガノフを調理しようと思った。

**********

　その頃、私は医学の勉強が終わり、これからお母さんに鰤の刺身を作ろうと思った。

「お母さん。忙しかったから今日は鰤の刺身を食べようね。」

「ありがとう。絵里奈。柚弦は直紀さんと共に料理を作っているの?」

「うん、そうだよ。今日は柚弦は私の体内から出ないと思うから…。」

「ありがとう。お母さん。」

　私は母親に感謝しながら鰤の刺身を調理した。