第13話 少女は体内墓参りを依頼される。

 今日は、土曜日だが私は体内墓地でお参りする人が多く集まってきたの。


「お聖人さん。私の体内墓地って予約制だよね。」


「そうだよ。君の体内墓地は予約制なんだよ。予約制にする事で、安心して入れる環境を整えられ、いつでも入れるから安心できるでしょ。」


「うん、そうしないと学業などに影響が出るから凄くそれはありがたいと思うよ。」


 墓守女子の体内墓参りは予約制になる為か、体内墓参りは予約制で普通の墓参りよりやや割高な料金を取る事になるけど、体外のみなら料金が安く、予約すればだれでもお墓参り出来るからそれはそれで凄く有難いなと感じてきた。


「それで、絵里奈ちゃん。君は懐石料理を食べたいと思わないか?」


「お聖人さん。それはどういう事なの?」


「私のお寺と君の家は車で30分の距離にあるから、移動に便利だろ。」


「うん、それで何で懐石料理を出すなんて言ったの?」


 私からすればお聖人さんが懐石料理を提供すると述べたのか分からないと考えながら、懐石料理が来るまで待つことにした。

*******

 それから…、


「よし、懐石かいせき料理が出来たぞ。」


「うん、これが懐石料理なの?」


「そうだ。これが懐石料理だ。絵里奈の為にお吸い物には水雲を使用し、高野豆腐を甘く煮た料理を作ってみた。」


「そうなんだ。でも、お聖人さんは何で料理作りに関与しているの?」


 私はお聖人さんに料理作りが何で好きなのか非常に気になっていた。


「僕は僧侶の修行中に、料理作りをした事があるんだ。それえ高野豆腐やお吸い物を作った事があるから君に食べさせたかったんだ。」


 お聖人さんがどうして私にお吸い物や高野豆腐が入った懐石料理を食べさせたかったのか分からなかったが、それを味わうことで彼が何をしたいのか味わうことにした。

 そして、まずは水雲のお吸い物を口に入れ、舌の絨毯で味わいながら、よく噛んだ事で…、


「凄く。水雲のぬめぬめ間とお吸い物の暖かさで水雲が食べやすくなってモスクの感触を失わずに食べられる。恐らく、みそ汁にしていないのが重要な要素だと思う。」


 私は、水雲のお吸い物がみそ汁を入れていないのは水雲の風味を損なわずに味わうことが大事だと感じた。

 私の口に入った水雲はそのまま食道に入り、胃へと流れた。

 そして、私は高野豆腐を次に味わうことにした。


「凄い。高野豆腐が甘くなく、柔らかすぎずに美味しく食べる事が出来る。」


 私は舌の絨毯で高野豆腐を味わいながら、よく噛んだ。

 …なんで、この弾力は水の中で抵抗するような高野豆腐の味がする。そしてさっぱりして、自ら出たら最高の気分だ。

 私は、高野豆腐も味わうことでこの味は、お聖人さんが作りたかった味なのだと感じ、彼に感謝しようとしていた。


「お聖人さん。」


「絵里奈ちゃん。この味はどうなんだ。」


「美味しかったよ。お聖人さん。しかも身体が悪い時でも食べられるのが凄く良いね。」


「ありがとう。絵里奈ちゃん。」


 私はこの味が身体悪くても食べる事が出来ると味だと感じ、お聖人さんに感謝しながら食べ続けた。

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