第30話 スーパーにゃんこ ②
父猫の三吉は、
よく
仔猫はペロペロ舌で舐められている内に
気持ち良さそうに眠ってしまいます。
その仲睦まじい
見る者の心がほっこりします。
猫にだって“ 家族愛 ”があるのだ。
学習塾に通っている生徒の中に
とても猫好きな女の子がいました。
ひとりっ子の彼女は、
兄弟が欲しいと思っていましたが、
三毛猫のミーコを見た瞬間、
運命を感じたようなのです。
「ミーコを家に引き取りたい!」
塾長にお願いします。
その後、両親の許可を得てミーコは、
女の子の家に正式に引き取られていました。
その子が当時は小学校4年生だった、
猫カフェ『にゃんこの館』オーナー美弥さんです。
――ミーコは仔猫の頃から、
普通の猫とは一風変わっていました。
毎晩、一緒のベッドで寝ていましたが、
美弥さんが声を出して絵本を読むと、
ミーコはじーっと耳を傾け聴いています、
まるで言葉を理解しようとしているようです。
何年かすると、
人間の言葉が理解できるようになった!
『はい』や『いいえ』と書いたカードで
簡単なコミュニケーションができたのです。
さらに、ひらがなを描いた積木を使って
日常会話が美弥さんとできるようになりました。
しかも、ひらがな、カタカナ、簡単な漢字も
読める“ 超天才猫 ”ぶり。
スーパーにゃんこミーコさん誕生!!
今では、そのスキルを使って
猫カフェ『にゃんこの館』のフロアーマネージャーとして、
にゃんこスタッフのいろんな意見を聞いては、
オーナー美弥さんと猫たちの“ かけ橋 ”になっています。
そもそも、
猫カフェを始めようと言い出したのは、
ミーコの意見だったのです。
4年前、美弥さんの両親が旅行先で
事故に合い亡くなりました。
いっぺんに両親を亡くしたショックから
ご飯も食べられず、何も手につかず、引き籠って
毎日々、泣いてばかり……
脱殻みたいになってしまった美弥さん――。
このままでは病気になってしまう!
とても心配しミーコは、
美弥さんの悲しみを紛らわせる
方法はないかと考えていました。
そんな時、
テレビで猫カフェの取材番組をやっていたのです。
観た瞬間、閃きました。
猫カフェ! これだ!!
ミーコの方から、
猫カフェをやってみたらどうかと
相談を持ちかけたのでした。
猫好きの美弥さんなら、
猫たちと一緒に働いたら
きっと元気が出るかもしれない!
すでに、
ペルシャのシャネルとアビシニアンのナイルは
美弥さんの家で飼われていました。
バーマンのマリリンも引き取る予定だったし、
スタッフ猫が4匹いたらカフェを開店できる。
猫が役に立つ仕事はこれっきゃないっ!!
そういう流れで、
猫カフェ『にゃんこの館』を
開店することになったのです。
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