橘真由香を待ちながら

作者 うろんがはら

8

3人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

ところどころ難はあるものの、爽やかな読後感があった。

この結末に辿り着いて、この際、こまかなことを抜きに、読み終わったいまの気持ちに従って☆☆☆にすることにした。

この作品をどう人に勧めたらよいのか、すこし困る。
ぼくは実のところこの胡乱ヶ原にへらという正体不明の作家のファンなので、たいていのことは目をつむってしまえる。なので、フェアに判断することがむずかしい。

話の構成にはやや難があり、誰もが物語を追っていくことはできないだろう(事実、この評を書いた時点で読了していたのはぼく一人であった)。それでも、随所で胡乱ヶ原節とも言うべき、するどい一撃をあじわうことができる。
これは胡乱ヶ原にへらという作家の唯一無二の個性であり、ほかの人の作品を読んでも得ることはできない。

願わくば一人でもこの味を知ってもらいたいと思うものの、こればっかりは読んでもらわないと実感しがたいだろう。
幕間の「手帳の区切りを読みながら」まで読むことができたなら、後は物語がしっかりと動く。そうして結末の、この読後のさわやかさをぜひ味わっていただきたい。

最後に、橘真由香というヒロインに出会うことができたことに感謝を表明して、評を終えさせていただく。