第154話 出店ラッシュと訃報
日の出食堂は、早急に戦略を練り直さなければいけなかった。
キングランチに対抗して三百九十円のお弁当をぶつけた。インスタントの味噌汁をサービスに付け、お弁当の見本を置くディスプレイもキングランチを真似た。
すぐに対等に戦える様になっていった。
ガオは急速に出店していった。銀座、赤坂、新橋、水道橋、特許庁、国土交通省など超一等地ばかりだ。
僕は心配していた。参加するのに膨大な資金がかかるからだ。
ガオは若い社員が多く、弁当の素人の集まりだった。
ガオの社長は「俺たちは弁当に関しては素人だ」と言ってのけた。
日の出屋のメニューは僕と調理部長と二人で作っていた。太陽グループから突然訃報が届く。
菊田専務がトラックと出合い頭に激突して亡くなったと言うのだ。
ショックでメニューどころではない。
日の出屋の幹部以上のメンバーは、菊田専務のお通夜に参列した。菊田専務の亡骸を見ると口元にあざが残り、事故の凄さを物語っていた。
僕が日の出屋で頑張れたのは、菊田専務のアドバイスがあったお蔭だ。
ご冥福をお祈りする。
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