第146話 統合失調症って何?

 僕の入院は一週間で終わる筈がなかった。


 僕はユン先生に「一週間経ったので帰ります」と言って外に出す様に頼んだ。


 男性看護師が二人僕の前に立ちはだかる。もみ合いになると例の注射を打たれた。何の注射か分からないが、急激な睡魔に襲われ看護師に抱えられ部屋のベッドに寝かされた。


 僕はユン先生に、普通にしている僕が何故入院しなくてはいけないのか問い詰めた。返事は曖昧で時折無視する態度をとった。


 僕は頭に血が上りユン先生に暴言を吐き続けた。


 「閉鎖病棟へ移ってもらいます」と宣告された。閉鎖病棟に自由は無い。僕は自棄になった。何の為に頑張って来たのだ。


 仕事と家庭のどちらを取るか聞かれたら、家庭を取ると答えるだろう。僕の何が悪いのだ!


 この後、僕の死にたい病が始まった。


 閉鎖病棟は一人部屋の個室になった。鍵が付いて無いので認知症の患者が僕の部屋によく入り込んだ。ゆっくり休んでいられなかった。


 一人変な男性看護師がいた。


 僕がベッドに横たわっていると部屋に入って来て、僕のズボンとパンツを下し下半身を見るのだ。


 僕は恐怖でじっと固まった。下半身に触れる事は無かったが、この行為を五回くらいやられた。


 相談する相手もいなくて我慢するしかなかった。

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