第17話 僕のミス

 僕も、日の出食堂の足を引っ張るミスを何度もした。


 注文書は手書きで、お金の計算は電卓でやっていた。


 テーブル番号を間違え、金額を多く請求して、お客さんが伝票を確認したら注文していない物が書いてあり、滅茶苦茶怒られた事があった。


 少し忙しくなるとパニックになり、計算ミスを繰り返した。


 注文した物が出てくるのが遅いと帰ってしまうお客さんもいた。


 そうしてリピーターが減っていったのだ。


 親父は、僕がどんなにミスを犯しても怒らなかった。


 それだけがせめてもの救いだった。

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