人か?亜人か?
太陽が顔を覗かせ、周囲は明るくなり始めた。
「血染めの赤髪」の雄叫びは、結果数名の輜重隊員を起こし寝入ったばかりの宿営地でちょっとした騒ぎとなった。
起こされた
アリアはその時の白髪を見る輜重隊長の渋い表情が印象に残る。
恐らく思い当たる節があるのだろう。
アリアは騒動の顛末の全てを
又、確認した事実をどう取り扱うべきか?アリアはモノがモノだけに慎重を期すべきだとサール達も説得し了解を得た。
ヘラレスは露見した場合の危険を具申したが、アリアはあっけらかんと答えた。
「些末な問題を「長」を煩わせる事無く処理し、雇用主を満足させるのが「傭兵の腕の見せどころ」じゃなかったかしら?」
「そして「しかるべき報告」をしなければ、輜重隊長の腰の双刀で切り刻まれても文句は言えない、だったらまず自分達で中身を検分してから伝えるべだわ!」
「大体アレでしょ?私達が見つけたんだから「コレは私達のモノ!」そう言うのが護衛任務の慣例だって、ヘラ爺が言ってなかったけ?」
輜重隊員達が起きて騒ぎ始める少し前、あるモノを見たアリアは、報告するかどうか中身を確認してから決めたかったのだ。
箱が埋めてあった木の側には目印の様なモノが彫ってあった。詳しく調べられなかったが、古いモノの様に思われた。
アリアはチャンスだと思った、同時に命に係わる危険な事かもしれないとも。
そう、コレは微妙なバランスが問われる「灰色の領域」だなのだ。
サール達はアリアと見張りを交代した。
報告直前に彼女達が
中身が気になったがそれ以上にサールが驚いたのは、彼女がしばらくこれを管理して欲しいと自分に預けた事だった。
こんな
サールは驚嘆した、
先ほどの白髪を逃がす指示しかり、雇われる時のゲラール婦人達とのやり取り一つをとっても、仮面を脱いだ
自分が「外」の亜人社会にいかに馴染んでいないかが判る。
サールは生まれてから
「それをどうするつもり?」
サールは淀みなく答えた。
「預かったモノだからゲラール夫人に返す、見つけたのは彼女達だから当然だろう?」
サールの言葉にレティシアは憤慨し言葉を投げつける、人気が無いので本性剥き出しだ。
「馬鹿じゃないの?何時まで
レティシアはこの時サールが珍しく皮肉交じりに自分に言い返した事に虚を突かれた。
「ゲラール婦人と共闘を勧めたのは君自身だ、良くも悪くも今の時点で協力関係に罅を入れるのは
「彼女のは支配者の立場、経験から物事の判断し現状を踏まえて立ち回る能力がある、それは君も理解しているだろう。」
「そして彼女の立場は我々とそう変わらない、恐らくこれほど稀な共闘者は今後現れるとは思えない。」
「私、君自身の目的達成のためにも必要な
サールの言葉にレティシアは貌を真っ赤にしたが二の句が無い、それは駐屯地の
サールは命の恩人であり育ての親、そしてこの「居場所の無い」境遇を自分に課した「母」を恨むべきなのか?
が、明確な
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