金に劣る銀

第72話

ー体育のバスケの授業ー

ダン! ダン! ダン!


男子生徒A

銀次郎を止めろ!


銀次郎

フッ!


男子生徒A

くそ!

避けられた。


銀次郎

オラッ!



ガコンッ


男子生徒B

また銀次郎が決めやがった〜。


男子生徒A

何点目だよ・・・。


浜谷

お疲れ、銀次郎。


銀次郎

おう。


男子生徒A

やっぱ銀次郎ってうまいよな〜。


男子生徒B

銀次郎って中学の時、何部に入ってたんだ?


銀次郎

バスケ部だよ。


男子生徒A

やっぱそうだよな〜。


男子生徒B

さすがバスケ部!

強いな!


銀次郎

まあな。




ー部室ー

田畑

今日の部活はこれで終わり!

解散!



銀次郎

浜谷、小坂、帰ろうぜ!


浜谷

ああ、帰るか。


小坂

うん、帰ろう。



銀次郎

それであいつが間違えてな〜。


小坂

あはは、おかしい〜。


浜谷

ふふっ。


小坂

銀次郎君の話っていつも面白いよね。


銀次郎

だろぉ。

他にもこんな話があってだな。


これは前に・・・



あっ・・・銀次郎・・・。


銀次郎

慎一(しんいち)・・・。


・・・。


ダッ



小坂

あっ、行っちゃった。


浜谷

誰なんだ?

今のやつ。


銀次郎

・・・。


浜谷

知り合いか?

銀次郎。


銀次郎

知らねぇ。


浜谷

いや、向こうのやつ銀次郎の事知ってそうだったし。


銀次郎

さあ?

浜谷の勘違いじゃねぇの。


浜谷

でも明らかに・・・。


銀次郎

首突っ込んでくるんじゃねぇよ!

俺の事何も知らないくせに!


浜谷

あっ・・・



その時俺は痛感した。まだ俺は銀次郎と出会ってから数ヶ月しか経ってない事を。すっかり俺は銀次郎の事を知った気になっていたんだ。まだ俺は銀次郎の事を何も知っていないのに。

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