支える人達

第35話

ー部室 休憩中ー


川鳥(かわとり)

はぁ・・・。


どうしたんだ誠治?

ため息なんかついて。


川鳥

・・・幸有(ゆきあり)か。

ちょっと考え事をしてな。


「こいつは3年の万能 幸有(ばんのう ゆきあり)。坊主頭がトレードマークで、いつも穏やかで洞察力がある男だ。役ごとにカツラをかぶる事でどんな役にも適応できる、正に名前の通りの万能さを誇るやつだ。」


万能

何の事を考えていたんだ?


川鳥

田畑の事さ。


万能

どうして田畑の事を?


川鳥

あいつ・・・中学の時に色々あってな。

ずっと苦しんでいたんだよ。


万能

その話、詳しく聞かせてくれないか?


川鳥

ああ・・・。







万能

なるほど・・・そんな事があったんだな。

知らなかった。


川鳥

あいつはずっとその事で悩んでいたのに、

俺は・・・何も気づいてやれなかった。

副部長失格だな・・・俺。


万能

そんな事はないさ。

誠治はちゃんと田畑の事を考えてやっている。

立派だよ。


川鳥

そうかな・・・?


万能

ああ・・・。

今まで田畑に引っ張ってもらった分これからは俺たちで田畑をサポートしていこう。


川鳥

ああ・・・!

そうだな、そうしていこう。


万能

うん。


川鳥

・・・時々思うんだが、お前が副部長をやった方が良かったんじゃないか?


万能

いや、副部長は誠治で良かったと思う。

いつも誠実に人と向き合っている誠治だからいいのさ。


川鳥

そうかなぁ?


万能

そうさ。


川鳥

フフフ。

幸有、お前に相談して良かったよ。

ありがとう。


万能

礼には及ばないさ。


川鳥

よしっ!

いっちょ張り切ってやるか!


万能

ああ!














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