102冊目 萌やしてください

 どうも、吾輩です。

 最近やおいで萌えません。


 いや、読むよ。

 読むけども。

 年々マイナーなキャラを好きになるので、真に好きなキャラの二次創作を読む機会がないのである。

 一通り読んで、話は好きだし、キャラも好きなのだが、狂おしく萌えるキャラorカップリングがないという作品が少なくない。だいたいのCPとだいたいの解釈でおいしく読めるけれど、おなか一杯にはならない。書いている方には失礼だが、コンビニのサンドイッチみたいな萌えしか摂取できない。

 なんとか萌えようと思って過去ジャンルの推しCP作品をあさってみた。面白いとは思うしかわいいとか素敵とか思うのだが、いまいち興奮に欠ける。こちらもコンビニのサンドイッチである。

 二次で、元ネタを求めるのがいけないのか。

 そう思って、web公開されているオリジナルBLも、商業BLも読んだ。

 結果は似たり寄ったりで、「素敵」止まりである。


 読んでいて楽しいし、少なからず萌えもあるのだとは思うが、なんかこう……足りない。

 どちらかというと、ふつうの漫画や小説を読んで「面白い!」と思う感覚に近いというか。キャラクターについても「こいつ、かわいいな」までは至る(萌える)のだが、じゃあ誰とCPする、となったら「単体萌えでいいじゃん」となってしまう。

 そもそも普通の作品においても、CPまで至らない萌えは各所にちりばめられていて(当然、作者の意図ではないが)、その気になれば無限に引き出すことができる。なのに萌えを見出せないとなると、吾輩のやおいレーダーが年々劣化しているということであろうか。それとも、作品そのものに真っ向から向かい、雑事を気にしない方向になりつつある(結果、細かい萌えを拾い損ねている)のだろうか。

 あるいは、今まで萌えだったものが、何か別の感情にすり替わっているのだろうか。

 歳のせいか。


 考え方によっては、萌えないというのは幸福かもしれない。

 狂おしい萌えキャラに出会ってしまうと、時間がいくらあっても足りないからだ。

 人気キャラならばあふれかえる二次創作に溺れ、マイナーキャラならば血眼で検索をかける。作品を作るなら相応の時間を持っていかれるし、公開したら心無いコメントがつくかもしれない。同人誌を出そうものなら締め切りが追いかけてきて、印刷代で苦しむ羽目になる。


 今夜の吾輩はずいぶんネガティブのようだ。


 とにもかくにも、大好きなキャラの二次創作を、長らく読んでないなってだけの話である。

 お目汚し、失礼いたした。

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