77冊目 口癖の罠
どうも、吾輩です。
二次創作において、原作に寄せようとする努力が裏目に出てしまうことってあるんです。
ここぞというときにビシッと放つキメ台詞。ファンの間で語り継がれる名言。ふとした時にこぼれる口癖。
こういったものを拾って使うのは、二次創作の常套手段である。
特に小説において顕著な傾向だ。
小説には当たり前だが絵がない。絵や漫画なら特徴を押さえれば、中身が伴っていなくとも「あのキャラだ」とわかるものだが、小説ではそうはいかない。なので文章でも「らしさ」を表現できる「台詞」は重要な位置を占める。
が、用法用量を間違うと「らしさ」が損なわれてしまうので要注意である。
最終決戦で主人公の言うキメ台詞を連発しているとなんだか安っぽいし、口癖部分を連発すると「そういう語尾かよ」となってしまう場合もある。そもそもファンからは口癖のように扱われている台詞が、原作で数えるほどしか使われていないということも、ままある。
ホルマジオ(※1)は「しょうがねえな」をそんなに連発しないし、東條悟(※2)も常に語尾が「かも」なわけじゃない。
確かにこれらの台詞はキャラクターを際立たせるものだが、あくまで調味料のようなものであって、使い過ぎるとあまりうまくないと思う。メインの食材であるキャラクターが死んでしまう。
もちろん一次創作作品で「このキャラは1時間に1回のレベルでこの語を発するから」とかなら存分にやってほしい。それはそれでキャラが立つし、楽しい。黄門様の印籠のようなもので、出てくるのが楽しみになる。
問題は二次創作において、良かれと思ってその語を連発した結果、かえって原作から乖離するという現象である。さっきも言ったがうまくないし、下手をすると安っぽくさえなってしまう。
原作台詞の取り扱いについては、くれぐれも慎重に。
※1 ホルマジオ
「JOJOの奇妙な冒険」5部に登場するスタンド使い。「しょうがねえな」を言わせて猫好きにしておけば演出できる感ある。
※2 東條悟
「仮面ライダー龍騎」の登場人物。仮面ライダータイガに変身する。浅倉(※)とは別ベクトルのヤバさでお茶の間を空気をこれでもかと悪くした。
※ 浅倉
「仮面ライダー龍騎」の登場人物、浅倉威。仮面ライダー王蛇に変身する。殺人犯で脱獄囚で仮面ライダーという類を見ない強烈な設定を持つ。
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