腐ってもオタク女

７５冊目 その手には乗らないぜ

　どうも、吾輩です。

　生兵法は怪我のもと。

　テーマ的には……ちょっと違うか。

　たまに見かけるあの作品。

　それぞれが別個の作品ではあるのだが、神経を逆なでしてくるあの作品傾向。

　つまり「腐女子なんだから男を好きな男が出てきたらうれしいでしょ？」という発想でＢＬ要素をねじ込まれた作品である。

　たいていこれらは主人公（男性）にレギュラー～準レギュラーキャラ（男性）が言い寄る形をとる。

　これで「ＢＬ要素」を作品に組み込んだという勘違いをし、読者層に腐女子を抱き込めるという皮算用をしているアチャーな執筆者もたまにいる。

　吾輩の場合、そういう作品はうげっとは思うが萌えっとは思わない。

　だが上には上がいるものだ。

　上は上でも予想の斜め上だが。

　某小説投稿サイトで出会った作品である。

　異世界転移もので、戦闘特化ではないけれど何かと便利な能力で世渡りしている感じの作品であった。

　転移してきてばかりで右も左もわからない主人公に、何かと助言をしてくれたり、仕事を手伝ってくれるキャラがいた。

　ここまではいい。

　だが、ハーレム物にありそうなヒロインが出そろってくるにつれて、この「導入さん」の様子が変わってくる。

　最初は主人公の能力に驚きつつも、基本的には傲岸不遜な態度を崩さない偉そうキャラだった。

　が、しかし、他の女性キャラが主人公にモーションをかけると露骨に嫌がったり、主人公が「〇〇ちゃんってかわいいよなあ」等と言い出すとあからさまに動揺するようになってきた。

　ははん、わかったぜ。腐女子受けを狙っているのだな。

　吾輩はこう判断した。

　そして読み進めた。

　結果、「導入さん」は実は女性で、女性として男性主人公に好意を寄せていたことが判明した。

　吾輩が言うのもなんだどさ。

　悪手過ぎんか？

　けっこう前の読んだ作品なのであまり覚えていないのだが、確かに導入さんが「男性」とはっきりくっきり描写されたシーンはなかったかもしれない。

　にしたってさ。

　あんまりじゃないか。

　そこで吾輩は、その作品を読むのをやめた。