73冊目 わからなくても、面白い
どうも、吾輩です。
以前腐女子のパロディの話はしましたが、それとはまた別の、一般向け作品におけるパロディの話をします。
ばれると困るのがパクリ。
ばれないと困るのがパロディ。
ばれるとうれしいのがオマージュ。
どこで読んだか忘れたが、こんな言葉を見たことがある。
至言である。
しかし、バレなくても困らないパロディもまた、存在する。
それはどんな場合か。
作品自体が面白い場合だ。
メジャー作品で言えば「ケロロ軍曹(※1)」あたりだろうか。
いろいろな作品のパロディが登場するが、元ネタがわからなくても十分面白く感じられる中身になっている。
吾輩の場合、小説でそんな作品に出合ったことがある。
53冊目 夢とロマンの秘密結社 にて紹介した「秘密結社でいこう!」シリーズである。
これは「仮面ライダーシリーズ」の、ごく初期における悪の組織をベースにしたコメディ小説なのだが、随所に特撮も、そうでないものも、様々なパロディがちりばめられている。
会議のときにアジトで流れる「ピコーン」という電子音。
赤と青のチューリップ帽を被った博士、グリムとグラム。
幹部なんだか首領なんだかよくわからないメロ大帝(※2)。
車椅子に乗った天才少女、クララ博士(※3)。
発売当時は吾輩も知識が少なく、なにかのパロディなんだろうな、ということはわかっても元ネタが皆目見当もつかなかったり、そもそもパロディネタに気付くことすらできなかったりもした。
だが、面白いのだ。
パロディの元ネタがわからなくたって、面白ければ続きが読みたい。
そんな動機で当時ティーンエージャーだった吾輩は、完結編まで読みきり、なぜ続編が出ないのかと憤ったりもした。
最近読み返したのだが、以前より知識の深まった吾輩にとっては、物語の面白さ、熱血さに加えて「これはアレのパロディ!」とわかる爽快感も相まって、さらに楽しい物語になっていた。
最近、ラノベや漫画をあまり読まない吾輩にこれを言う資格はないだろうが、あからさまなパロディをする作品が減ってきたように思う。
もろもろの権利関係とか、読者への配慮とか、なんだかんだ理由はあると思う。
でも、パロディネタ大好きな人間だっているのだ。
気づいた時のあの快感。
願わくば、そんな作品にまた出会えますように。
※1 ケロロ軍曹
実は、アニメを何度か見たことしかない。
だがしかし、パロディがたくさん登場する作品だということは知っている。
同時に、面白そうな作品だということも。
※2 メロ大帝
名前および「幹部か首領かよくわからない」という点ではあの人(※4)がモデルなのだろうが、出自やキャラクター性はあの人(※5)に近い。
※3 車椅子のクララ博士
最終巻で立ちます。
おっとネタバレ。
※4 あの人
ゲドンのあの人。
※5 あの人
山本大介。
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