40冊目 「地雷無いです」は本当か

 どうも、吾輩です。

 地雷の話をします。

 とはいっても実際の兵器の地雷ではありません。さすがに。

 同人における「地雷」の話です。


 その物騒な響きからもわかるとおり、決していい意味では使われない言葉である。

 例えば、ある作品を読む。

 その作品の展開、文体、絵柄、その他が合わなかったとき、または合わないを通り越して嫌悪感を覚えさせるとき、「地雷を踏んだ」という表現をする。


 自分の萎えは誰かの萌え。

 その「地雷」を執筆した本人はそれが自分の萌えだから書いていることが多い。

 そのために「地雷という表現は失礼」という話もあるが、その表現が浸透しているため、この言葉を使わせていただこうと思う。


 で、タイトルの通りだが、「地雷無いです」つまり「苦手な展開その他無いです」を公言する同人者には2パターンある。ほかにもあるだろうが、それは吾輩がわからないので除外。


 1つめは「同人歴が浅く、自分の地雷を分かっていない」パターン。統計を取ったことはないが、どちらかと言えば大ジャンルに多いと思う。

 大ジャンルということは様々な作品形態があり、その中から自分好みの作品のみを読むことができる。pixivに代表されるSNSではタグやキャプションで作品傾向が明文化されているため「ちょっとなー」と思う作品は容易に除外することができる。その「ちょっとなー」が地雷なのであろうが、回避が容易なため自分好みの作品にしか触れる機会がなく、そのため「地雷無いです」と勘違いしてしまうことがある。

 まあこのパターンは遅かれ早かれ地雷を踏んで「自分はこれが苦手/好きじゃない」と気づくときが来る。はず。


 2つ目は根が深い。

 「好きなキャラ/カップリングがマイナーすぎるため、地雷成分があっても読まざるを得ない」という状況を繰り返し経験し、推しがいれば何でも受け入れられる状態になってしまったパターンである。


 もちろん、受け入れられるといっても限度はある。

 あるが、推しの出番があればどれほどひどい扱いであろうと血涙を流しながら最後まで見届けなければ気が済まない、そんな同人者も存在するのである。


 例えば砂漠で何日も放浪し、水筒の水をとうに飲みつくした状態であったら、汚い泥水であろうと飲むであろう。

 そういうことである。

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