34冊目 考察の闇

 どうも、吾輩です。

 考察過敏症を患うとこんなにも楽しくて苦しいんですよ。


 吾輩が最初に考察の意味を知ったのはSoundHrizon、以下サンホラ(※1)だったように思う。高校時代、サンホラに情熱を激しく傾ける友人が1人ならずいたのだ。


 サンホラを詳しく知らない方に説明すると。

 ミュージシャンなのだが、アルバム1枚ごとにストーリーがあり、さらにはそのストーリーに謎が深く、挙句の果てに違うアルバムで関係するエピソードが語られたりと考察好きにはたまらない構成となっている。

 さらには「公式が語らない部分」も少なからず存在するため、そこで謎が謎を呼び、解釈が分かれるのだ。

 それ以上はググってほしい。情報量に唖然とすること請け合いだ。


 それで「考察」というものの奥深さを知った吾輩であるが、ぶっちゃけ、知らなかったほうが良いのではないかとさえ思うことがある。

 たぶん作者が何も考えてないところまで考えてやきもきしてしまうのだ。たのしいが、しんどい。


 例えば、あるミュージシャンが「抱きしめても言えない」(※2)と歌っていた。

 それを聴いて吾輩は考える。


 これは「抱きしめたとしても言うことができない」という意味なのか。

 それとも「抱きしめてと言うことができない」という意味なのか。

 聴くたび考えてしまう。

 たぶんこっちだろうな、という憶測はあるのだが、それを補強する材料はない。勿論、明確な答えもない。


 そういう感じで、本編の謎を解き明かすならまだしも、本編に対して関係ない描写まで深読みしてしまうのが考察者のつらいところだ。

 基本的に、公式から回答が提示されることはまずない。故に苦しい。しかし楽しい。


 ようこそ、考察の沼へ。


※1 SoundHrizon

 聴け。聴けばわかる。

 ノベライズやコミカライズも多数されているので、何かととっつきやすい。

 吾輩の推し曲は「見えざる腕」である。


※2 抱きしめても言えない

 アーバンギャルド「子どもの恋愛」。

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