★★★ Excellent!!!
一人の少女の死によって、"いつも通り"が崩れ始める 蒼山皆水
市織聖夜という女子生徒が、学校の屋上から飛び降りて自殺。そんな悲しい事件をめぐる、学園青春ミステリー。
登場人物たちが聖夜の死についてそれぞれ悩みながら、真相に近づいていきます。
この過程がすごくよかった!
それなりに重い話で、人間の根底にあるような醜い感情なんかも書かれているのですが、全体的にテンポ良く読むことができました。(個人的に好きなタイプの話だからというのもあるかも……)
そして、物語としてこれ以上ないほどに完成されているような印象を受けました。一切の無駄がないように感じたのです。
意味のないように思えた箇所も、最後の方を読めば「ああ、それでか……」と思えるようなものばかり。
とにかく、読み進めていくにつれてパズルのピースが次々とはまっていくような感覚です。
肝心の聖夜の死の真相にも驚きがありましたが、やられた!というよりも、ああ!伏線あったじゃん!そうだよな……。うああ、なんで気づかなかったんだ……といった感想を抱きました。悔しいです!
総じて、非常に面白かったです。
オススメ!