第115話 剣に生き……・七
リューネブルク市・上等区・ブリギッテ率いるバルムンク官兵部隊残党―――
「法王軍が司教府に突入しました!!」
「……ここまで本隊が追いつめられていたなんて」
貴族連合軍の拘束を逃れたブリギッテ率いる官兵部隊……の残党達は本陣たる司教府を包囲する法王軍を撃退するべく、背後に回っていた。
戦況はブリギッテの予想を遥かに上回る、あるいは下回る惨状であった。
本陣たる司教府は陥落寸前、救援は一刻を争う。
ただし、直接的な攻撃に出ることはできない。
残る兵数はここまで強行軍で来たこともあり、百名を大きく割っている、対して法王軍の兵数は少なく見積もって数千、とても正面からぶつかれるものではない。
例え奇襲をかけたとしても、ひねりつぶされるのが落ちだ。
故にブリギッテは徹底的にかく乱、小細工でもって法王軍の足を引っ張る方法に打って出た。
その第一歩が上等区の各所に放火して法王軍の補給線を乱すことだった。
大軍であればあるほど、それを維持する物資は膨大だ。
それを抑えられるとはいわば胃袋を握られたも同じ。
瞬間的に打撃を与えられなくても、時間が断つごとに物資の欠乏が響き、軍勢は まるで丘に挙げられた魚のように干上がってしまう。
まっとうな指揮官ならばそれを危惧して一時軍を後方に下げる。
少なくとも、ブリギッテはマグデブルク大学の軍学でそう教わった。
が、敵は撤退どころか、逆に総攻撃に切り替えたのだ。
もう小細工程度では戦況は揺るがない。
司教府の仲間達を助ける方法はただ一つ、玉砕の念を持ってブリギッテら官兵部隊が突撃するしか方法はないのだろう。
(覚悟を決めろってこと……冗談じゃないよ!!)
しかしブリギッテはまだ決めかねていた。
仲間を助けることと、我が身を犠牲にすることがどうしても繋がらない。
なぜ自分はこんな理不尽な場所で死なねばならないのか、いったい自分がどんな悪いことをしていたと言うのだろう。
死にたくはない。
怠惰の結果、下された罰が死刑なんてあまりにも重すぎる。
(とはいう物の……)
だがそれとは別に、仲間を見捨てたくないという気持ちもまだあったのだ。
保身のためではない、だったらとっくに投降している。
先ほどまで勝手に戦線離脱しようとしていたことを考えれば、どうにも不合理極まりない心情なのだが、それだけは真実だった。
「正面より攻勢……だがそれは見せかけだ、敵軍の視線を引き付けた後、側面よりクロス・ボウ兵が将校クラスを狙撃、できれば司令官セルゲイを撃て、武器がない人間は旗でも松明でもいい、少しでもこちらを多人数に見せかけるんだ」
ブリギッテより命令、恐らくは最期になるであろう攻勢命令が下された。
その命令一下、官兵達が水を得た魚のように各々の役割を果たそうとする。
一般の兵士にとって全体的な戦略、戦術など理解できない、よしんば理解できたとしても、この破滅的な状況をあえて考えないようにしていた。
「友軍を助ける最後のチャンスだ、気合を入れろ、プロージット!!」
ただ見知った戦友達を助けるために剣を取る。
「おぉぉぉぉぉぉぉ、プロージットォォォォ!!」
リューネブルクの神官兵がトキの声を挙げたのだ。
*****
リューネブルク市・司教府内部――
「兵士の数は百……五十でしょうか」
「十分だ、これで戦局を挽回しよう」
ブリギッテが司教府を包囲する法王軍に最後の攻勢をかけた頃、とうの司教府は座して待つばかりの他力本願で軟弱な輩ではなかった。
彼らは、それこそ自らの力で突入を開始した法王軍を押し返すべく、指揮官イグナーツが新たな作戦を行おうとしていたのだ。
ある意味、イグナーツは優秀な指揮官であったのだ。
どのような絶望でも、希望を失わずに行動することができる。
その不屈の姿勢に、狂信者や復讐者ばかりが残ったバルムンクの兵卒達の心を掴んだのだ。
「裏門が破られた、敵軍が突入してくる、兵力差は数十倍、撤退は不可能……つまり状況は最高だということだ、今より我らは奇跡を起こす!!」
「バルムンク万歳、アールヴ万歳!!」
「スヴァルトをぶち殺せ!!」
唱和する、大分少なくなった歓声に気を良くし、イグナーツが作戦内容を説明する。
それは彼が得意とする放火であった。
司教府の各所に火をつけ、混乱する法王軍を一網打尽にする相討ち覚悟の自爆戦法である。
「敵も全滅、味方も全滅……だが勝者がいなければ引き分けだ」
アールヴ人の解放を唄うバルムンクに敗北は許されない。
ここで負ければ全てのアールヴ人がスヴァルト人に奴隷になってしまう。
しょせんアールヴはスヴァルトに勝つことはできないと民衆が思ってしまい、スヴァルトへの反抗の気概を失ってしまうからだ。
最期の最期、イグナーツに残されたのは理想であった。
彼は俗物たるブリギッテとは違う、高尚なる理想家であったのだ。
無論、司教府の奥で震えている避難民や負傷兵、影術士である子供達の生存は諦めている。
流石に心が痛むが、スヴァルトの奴隷にされるよりはマシだと、イグナーツは断腸の思いで自身を納得させた。
自分が間違っているとは考えないようにしていた。
「素晴らしい作戦ですね、私は感服しました、あはは」
「アマーリア……」
兵士達が作戦を遂行しようとした時、パタパタと駆け足で、アマーリアがやってきた。
彼女はイグナーツの命令で、負傷兵や避難民、子供達から兵士を集めていたのだ。
彼らの総数は数百人、だが怪我や多種多様な理由で体が動かない者も多く、正直な所、イグナーツは徴兵に期待できなかった。
だからせめて、百人、いや二百……あるいは動けなくても、立っているだけでもいいから、全員が兵士として戦場に出ることをイグナーツは望んでいたのだ。
「影術士の子供達を含め、百人……徴兵しました」
「少ない……いや、今はこれで良しとしようか」
「今は……?」
希望を大きく下回る人数に落胆しかけたイグナーツだったが、数瞬後には立ち直り、アマーリアが連れてきた百名をどう動かすか考え始めた。
彼は決してあきらめない、そう、百名で今は十分ではないか。
簡単に言えば、一人で五十人を相手しなければならない所を、たったの二十五人に減ったのだ、これは快挙だ。
「……?」
そして百名を作戦に組み込めた……所でとてつもない疲労が体を襲う。
それは当然だ、度重なる激戦、体など当に限界を迎えている、だがまだヴァンが外で〈竜〉と戦っているのだ。
自分だけ倒れる……わけ……には。
そして走る、脇腹の激痛……。
「何を考えているんですか、放火魔さん、もう敗北が決まった戦争にあの子たちを犠牲にするなんて……」
「アマーリア、貴様……兵士達は、集めた兵士達はどうした!!」
「私があの中から兵士を集めるわけがないでしょう」
イグナーツはまるで三日月のように口を歪ませた狂乱の少女を背後に見やる。
アマーリアの手にはナイフ、そのナイフはイグナーツのわき腹から漏れ出る血で朱く染まっていた。
刺したのだ……グレゴール司祭長をやった時と同じく、今度はイグナーツを、アマーリアはナイフで刺したのだ。
「こ、こんなことはもうしない、と言ったではないか」
「あれは嘘です」
冷徹極まりない、氷よりもなお低い氷点下の声がイグナーツを蔑む。
「貴方にはこれから私と法王軍に投降してもらいます、降伏してもらうんです、これで戦闘は終わりです」
「刺しておいて……そんなことを、私はもう死ぬ、降伏など、できるものか」
「大丈夫です、太い血管と重要な臓器は避けましたから、止血すれば命に別状はありません……勉強したんです、あの時から」
「成長しただと……そっちじゃねえよ、ボケが!!」
脇腹の傷に苛まれながら、イグナーツが呪詛を漏らす、だが対峙するアマーリアはその呪詛を敗者の戯言と感じたようだ、勝者の笑みを崩さない。
「……!!」
悲鳴と怒号、そしてバルムンクを称える声。
そして通路の先の先に見えるのは……白地に竜の紋章、法王軍の軍旗だ。
イグナーツが考案した放火作戦、その開始から十数秒が立ち、早くも結果が見える。
投入した兵士は全滅、作戦は失敗であった。
寄せ集めの兵士が、数十倍の兵力に挑めば……それ以外の結果になる訳がなかったのだ。
「えっ……法王軍が司教府に入り込んでいる、いつのまに」
「にわかに信じがたい発言だな。今更、この破滅的な状況を理解したのか?」
アマーリアの顔が蒼白となる、軍事に無知な彼女は現状を正しく理解していなかった。
司教府に法王軍が突入したのは知っていた、だがまだ数時間はイグナーツらが持ちこたえると楽観していたのだ。
十年前のスヴァルトの侵攻、首都マグデブルクの法王府は突入から半日持ちこたえた。
バルムンクのようにわずかな時間で陥落したりはしなかった。
アマーリアは既にチェックメイトすら過ぎ、盤上が片づけられつつあることを知らなかった。
決壊しつつある堤防に自分が斧で切れ目を入れ、濁流が今まさに自分を押し流そうとしているとこの時、初めて理解したのだ。
「ほら、早く降伏してみろよ、首に縄をつけて降伏してみろよ……敵と勘違いされて殺されるだろうがな」
「くっ……!!」
「戦場の空気に酔った兵士に言葉が通じるものか、死ね、最悪な状況で最悪な選択を選ぶ馬鹿な女が!!」
敗者であるはずのイグナーツの容赦のない批判にアマーリアは屈しかける。
だが実の所、屈したか否かなどどうでもよかった。
バルムンクが演じていた演目は終わった、カーテンコールはない、終焉した劇の登場人物はもう去らなくてはいけないのだ。
「狂女め、アマーリアの馬鹿たれが……狂っているのは、私だけではなかったな」
ブリギッテが司教府の救援に命を賭けた頃、その助けようとした知人達は既に帰り支度を始めていた。
崩壊しつつある司教府では、怯えきったアマーリアの横で、イグナーツの哄笑がいつまでも鳴り響いていた。
*****
リューネブルク市・上等区と市街地を結ぶヘルムート橋―――
―――司教府が燃えている、私の勝ちだ―――
グスタフ・竜が、神が笑った。
場所は上等区と市街地を結ぶヘルムート橋、極限下の戦闘でも倒壊しなかったのは大したものだが、それも巨大な竜の重量の何分の一かがかかっただけで粉々に砕けた。
ヴァンに重傷を負わせ、テレーゼとリヒテルのコンビネーションを打ち破った彼を、もう脅かす者はいない。
グスタフは勝った、今より彼はこのグラオヴァルト法国の支配者である。
法王も抑えた、ウラジミール公の称号は手に入れた。
反抗的だった貴族連合軍も処分し、そして今、最後の抵抗戦力だったバルムンクもまた……。
―――セルゲイが今、司教府に突入したな。やはりあいつは使えるな、法王よりも俺を選んだか―――
死術で生み出された竜は現世ではなく、幽世の存在。
故に現実世界では少々、感覚に不具合が生じる、世界を正確に知覚できないのだ。
竜が見える世界は一面が泥の海、色鮮やかな花々や蒼天の空、それどころか人々の多種多様な表情も見分けることができない。
分かるのはそれが生きているか否か、特に生者は泥にしか見えず、ただ死術の影響下にある者だけがそれぞれを別箇の存在として見ることができる。
―――また目が良くなったな、これも死術の影響か―――
だからグスタフはあえて竜の視界だけに頼らず、危険を承知で自分自身が外に出た。
竜の額にまるで埋め込まれているかのように突き出ているグスタフの上半身、そこからの視界は人が見るそれと同じだ。
しかも死術の副作用か、その視力が異常なまでに高まっている。
ゼントル(メートル)どころか、数リュード(約10キロメートル)先の人の顔すら判別できる千里眼、もしかすると……竜も進化しているのかもしれない。
―――見えるか、我が友よ、お前の作り出した全てが崩壊する様を―――
竜が口を開けて、その中からツルの束のような舌に囚われた瀕死のリヒテルが現れる。
両足の義足、左腕の義手は先ほどの攻撃で吹き飛び、さらに残った右腕すらもズタズタに引き裂かれて辛うじて繋がっている有様だった。
そしてその顔、虚ろな表情は元より、生気を吸い尽くされてひび割れた肌、枯れ果てた髪、グスタフが指先ほどの力を込めればミイラになってくたばるだろう。
「……」
―――分かるか、リヒテル……分かる訳がないか―――
リヒテルは気絶したわけではない、だがもうまともに思考する体力が残されていないのだろう。
その死んだ魚のような瞳が全てを物語っている。
グスタフは何度か思念で語り掛ける、だが返答は返って来ない、反応すらない。
それでも幾度となくグスタフは語り掛ける、まるで置いてきぼりにされた子供のようだった。
いつの間にか、グスタフは一人になっていた。
テレーゼは確かにトドメを刺さずに放置したものの、もはやあの状態では再起は不可能、あるいは自殺しているのかもしれない。
残るはヴァンだが……リヒテルとテレーゼ、二人で挑んだところを見るに、恐らくは死んでいる。
―――まあ、順当な結果だな。もう少し遊べると思ったが……いや、もう俺は王なのだ、やるべきことは山のようにある、遊んではいられない―――
思い直したグスタフが、リヒテルをまた竜の口の中にしまい、前進を開始する。
まずは凱旋式だ、司教府を制圧したセルゲイ、そして生きていればあの死術士の少女……名前は忘れてしまったが、あいつらに俺を祝わせよう。
竜の一歩が地震を起こし、大地を揺らしながら前へ進む。その巨体は動くだけで周囲を破壊するのだ。
そしてその体が上等区を守る城壁にぶつかった。
ヨーゼフ大司教の策で崩壊した市街地、それに巻き込まれた城壁はその半数が倒壊し、そして今、残されたそれに竜がぶつかったことでさらなる破壊が起こる。
ヒビの入った壁が割れ、轟を挙げて崩れている。
巻き起こる粉塵、それが竜の顔半分まで届く。
その中から、黒っぽい破片が飛び立ち……それは高く高く、飛び上がる。
何者にも邪魔されず、翼の生えた鳥のように破片は竜の側頭部にぶつかり……グスタフはその殺気に気付いた。
―――くっ……―――
勝利の後の油断、それが瞬時に吹き飛ぶ。
敵がいる、敵が近づく、迎撃しなければ、戦わなくては殺される。
竜の身体は巨大で小回りが利かない、敵が近すぎる、竜で攻撃すればグスタフ自身を巻き込んでしまう、故にグスタフ自身で迎撃しなくては……。
―――何……?―――
グスタフは傍らに置いておいた剣を手に取ろうとして……だが左腕が動かない。
ならば右腕……だがそれはリヒテルに斬りおとされている、だが代替えでつけた義手すら動かないとはどういうことだ。
下半身は竜の中だ、避けられない……そしてグスタフは真っ向からその一撃を受けた。
―――……っ!!―――
全身を襲う激痛、見えた刃は一つ、なのになぜか体の十数か所を一度に刺されたような痛みを伴う。
目の前には朱と黒、そして白で装飾された少年がいた。
朱色は血、流された血は黒く汚れ、灰色に近い白は埃と煙……幾度となく転び、そのたびに強引に体を起き上がらせてここまで来たのだろう。
皮は割け、肉が見える、骨も見える。だがついにここまで一人でたどり着いたのだ。
ヴァン……ヴァシーリー・アレクセーエフ。
グスタフは告げていない、だから知らないだろう……売女であったグスタフの母が、グスタフの父であったベルンハルト枢機卿に捨てられた後、どこぞの男との間に産んだ、種違いの弟。
「……」
ヒューヒューと壊れた楽器のように空気を漏らし、ヴァンがゆっくりと剣を構える。
再びグスタフを斬るつもりだ。
グスタフは身構える、だが体が動かない……対応できない。
―――……ぐっ―――
そして激痛、先ほどを上回るそれはまるで焼き鏝を体にねじ込まれたようだった。
おかしい、なぜだ……なぜ体が動かない。
錯綜する意識、その混乱が思念として伝わったのか、ヴァンが口を開く、錆びた蝶番が動くようなその動きでグスタフはヴァンの余命を予測した。
「体を……見ろ、自分の、姿を」
……
………
……………
―――あ、ああ―――
……
………
……………
―――あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!―――
グスタフは巨大な目になっていたのだ。
手も、顔もない、リヒテルによって視界の半分を奪われた竜、その障害を補うために竜は宿っていたグスタフを目に変えていたのだ。
グスタフはこれから目として、竜の一部分として生きていくだろう。
自分が何者か忘れ、何があったのか理解できなくなり、ただの目として……その事実がグスタフの精神に致命的な打撃を与える。
―――俺が俺が俺が……あああああぁぁぁぁぁ!!―――
わめき散らすその姿は子供のよう……いや目でしかない。
「お前はここで殺す、これで……」
―――だが司教府はもう陥落する、この戦争はお前らの負けだ、俺を殺した所で何が変る―――
それは命乞いだった……彼を知る者からすれば信じ難い、だが驚愕の真実に打ちのめされた彼には幼子程度の精神力すらない。
助けてくれヴァン、俺を……見逃してくれ。
「……これは私闘だ」
―――……―――
「お前はテレーゼお嬢様やアマーリア、みんな、そしてリヒテル様を傷つけた。家族を傷つけたお前を生かしては置けない……!!」
―――……―――
燃え尽きる蝋燭が輝くように……死にかけの身体を引きずり……ヴァンは答えた。
グスタフへの冷徹なる死刑宣告、だがそれを受けたグスタフの心に、さざ波のような高揚が沸き立つ。
ヴァンが剣を振り落す、その命を刈り取る最後の刃は、しかし……上からの強烈な圧力でヴァン自身が抑えつけられて空振りする。
剣は目には刺さった、だが中心から外れ、そこでは致命傷にはならない。
「まさか……飛んでいる?」
竜が羽ばたく、ギリギリの所で再生が間に合ったその両翼で風をかき……天と地の狭間へと真っ直ぐに進んでいく。
―――俺らはその手前勝手な我儘で世界を動かした―――
「……」
―――その価値を決めるのは自分、自分以外にあり得ない―――
「……」
夜空を破り、厚い雲を突き抜け、そこは月と太陽が相容れる世界。
―――さあ、これがラストだ、飛翔の風圧に死にかけのお前の身体は耐えられない―――
「……」
―――その体が砕け散るまでに、俺にトドメを刺してみろ―――
そこは神々が住むとされる「アースガルド」に似た世界……それに向けて、竜が飛翔していく。
どこまでもどこまでも早く、奈落の底に墜ちるように……わずか数秒後に手に入れるモノのために、竜は天と地の狭間へと飛翔していったのだ。
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