・《僕の正義はなんですか!?》- 2.5 -


「あれ…俺一体…。」


「ああ、伴野ばんのくん。目を覚ましたかい?随分とボーとしてたけど…。」


御剣みつるぎ社長…!?!?な…なぜ?」


「目を覚ましたな。」


咲夜さくやさんまで…なぜここに…?というか何で焼肉食べてるんすか…?」


「モグモグ・・・君が注文したんじゃないのか?ん…あぁ…これは…。なるほどね…。」


「咲夜さん…?何ですかそれ…。」


「ん…?あぁ、ここに置いてあった名刺だよ。椅子のところに落ちてたんだ。ほら、あげるよ。」


「え…あっ…なんですかこれ…?"ケモミミメイド喫茶 モフィ☆ 専属猫メイドの のぞみん"…?のぞみって…どこかで聞いたような…?」


「なんだ、君はマヌケな顔をして…。’’化け猫’’にでも騙されたのかい?」


「え…そんなハズじゃ…。そもそも、なんで俺はここにいたんでしたっけ…?」


「知るわけないだろうそんなの。とにかく、私は君と、父上に頼みがあってこの話し合いの場を開いた。」


「なんだね急に。そもそも、なんで焼肉店なんだ…。ウチのホテルで良いだろうに…。」


「率直に言おう父上。私は、"伴野しげる"がタイプではない!」


「「なっ!?」」


「二人とも鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしているな。」


「す…すまんが咲夜?それを本人の前で言うのは…。」


「父上!この際だからはっきり言いますが、私はもうすでに、心に決めた存在がいるのです!こんな女装も似合わなさそうな男と結婚など、断じて拒否します!」


「さ…咲夜?ど…どどどどうしたんだ?」


「あの…御剣さん。僕も言いたいことが…。」


「このタイミングでなんだね!?もう何来ても驚く気がしないがね?」


「僕も…咲夜さんはタイプではありません!!!」


「「なっ!?」」


「二人とも、驚きのようですが真実です。」


「なんだこの敗北感は…!貴様、私はそこそこ見た目はいい方だろうが!」


「それを自分で言うのか咲夜よ…?お父さん心配になって来たよ…?」


「申し訳ありませんが、私には心に決めた人がいます。名前は思い出せませんが、ハッキリといることは覚えています!」


「何を言っているんだね君は?」


「だからすみません、婚約は解消ということで!」


「うむ、納得はいかないが賛成だ!」


「なんだ!?もうわけがわからなくなって来た!では伴野社長との契約は…どうなるんだ…?」


「僕には関係ないので、破棄してもらって構いません!僕は自分の為にも、すこしでも自立したいと思っています…!」


「なんだ貴様!随分と変わってしまったなぁ!ええ?ほんと’’化け猫’’に騙されたみたいだな!気に入った!今度、オススメの女装バーに連れてってやる!」


「咲夜!?なんでそんなとこ知ってるの!?というか、茂くんはまだ高校生だよねぇ!?」


「そうだったな父上よ!はははははははは!!」


「というか、気に入ったのなら結婚しても…!」


「「それは無理だ!(です!)」」


「そこは相容れないのね…!」


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