第136話

 今夜も夜空に赤い月が怪しく

輝いていた。

 血で染めたような赤い月だ。

 

 あたしは、姉からの電話に

動揺を隠せない。


 ついに・・・・、

あの事故の真相を話さなければ

ならない時が来たのか。


 用心していたが、バイトからの

帰宅が遅くなってしまった。

 それにしても、人通りが少ない。


 まだ夜更けには早い時間だ。

やはり、都会とは違う。

 神倉は伝統の街だが、田舎には

違いない。


 こういう時こそ、多少は

人通りがあった方が安心だ。


 しかも、さっきから、ずっと

黒いセダンがあたしの後を着けて

いるような気がした。

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