第102話

「そ~言えば、赤い月夜の晩だよね」

 食事後、ホラー作家のジョーがしゃべり始めた。

 え、何、赤い月夜って……

 ホラー……?


「ああ、赤い月の夜に殺人事件が起こってるらしいンだ」

 クッキー様が笑って教えてくれた。


「あ、それって、飯野くんの事件ですか」

 あたしは掠れるような声で訊いた。


「え、ああ、よく知ってるね。

 そ~そ~、被害者は飯野ってヤツね。

 昨日、られてさァ~ー……」

 漫画家。 


「顔、グッチャグチャだからねェ…😆🎶✨」

 ホラー作家たちは笑いながら平然としゃべっていた。


 あたしは眉をひそめた。

 食後に聴く話としては最悪だ。


  

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